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日本は仮想通貨立国--メガバンクも出資した技術を積み上げるbitFlyer - (page 2)

山田竜司 (編集部)

2017-04-26 12:00

--確かに、銀行がAPIを公開するなど、FinTechが盛り上がりを維持している。

 銀行も自分たちのビジネスの未来を検討しています。銀行は(高い参入障壁のある)規制産業ですが、このままでは外圧に耐えられないのではないかと考えています。何しろ、競争相手は金融機関ではなく、決済機能を持ったSNSなどを展開している中国のTencentやSINAかもしれない。外資が本格的に日本市場にやってきた時に、技術の基盤もサービスの基盤もなかったら全部市場を持っていかれるかもしれない。それならばまずは銀行の持つ機能のうち、技術領域を開放することはあり得る。その分野で競争が生まれていくかもしれないと考えています。

--プライベートチェーン向けの基盤を各社が出している。差別化のポイントは何か。

 われわれは自分の顧客に傾聴して製品を作りこんでいます。miyabiはプライベートチェーンの利害関係者がみんな満足しており、それで十分だと考えています。自社の立場で各社と比較するというのはおこがましいのではないでしょうか。私は他社製品を知らないし、知らないものに発言はしません。「われわれの製品はこうです、お客さんが比べてください」でいいのではと思います。評価は顧客の評価軸によりますし。

 一方、私は経済産業省が主導したブロックチェーンを活用したシステムの評価軸検討委員会の委員を務めています。委員として意見した報告書はこの春完成して掲載されています。

--「ブロックチェーンの実証実験を始めた」などのニュースが多いが、プライベートチェーンの基盤をどんなアプリケーションと連携させたいか。

 守秘義務があるのであまり話せないのですが、引き合いは幅広にあります。注力しているのはエンタープライズITなのでその点を重視したいと思います。

 よく、ブロックチェーンの実証実験を始めた、などのリリースが出されますが、それは私の興味の範疇(はんちゅう)にありません。ちまたで実施しているさまざまなブロックチェーンを使ったアプリケーション実証実験のほとんどはmiyabiで再現できると思っています。多くの実験ででてくる「本人認証」や「スマートコンストラクト」などは同じことを言っているように聞こえるのです。ブロックチェーンで「証券会社のポストトレードで配当できるようにした」「名義書き換えができる」など。音楽配信サービスの所有権移転や土地の登記簿、婚姻届けなどもそうです。これらを別のものとして発表するのは(データベースに何を入れるかという話なので)意味がないという感覚です。

 ブロックチェーンという、”新たな性質のデータベース”ができたのだから、そのデータベースにのっかって署名して認証すれば、これまでのデータベースでできたことは再現できることが多いです。われわれはあまり打ち上げ花火的な発表をしたくないのです。

--スマートコントラクトに関してはどんな展開を考えているか。

 miyabiは理(ことわり)というスマートコントラクトの実行機能があります。ほとんどのスマートコントラクトは理で、実行できると思っていますが、最も気をつけているのはセキュリティです。Ethereum(イーサリアム)みたいにバグがあるとトラブルのもとになるからです。DAO事件はEthereumが自由度が高いチューリング完全(あらゆるプログラムを記述可能)を目指したから起きた事件だと思っています。

 miyabiは機能を限定しています。ファンクションを絞り、資産の安定性を担保しています。


「miyabi」の位置づけ
ブロックチェーンは、コンピュータネットワークで参加ノードがバグやエラーなどを含め不正が起きるような通信をする状況においても、ノード全体でデータの同期を正しく取れるかという「ビザンチン障害」を解決した(bitFlyer資料から引用

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