--企業向けのブロックチェーン基盤を提供している競合など海外勢に負けないために何が必要か。
技術的には自分たちがやれることをやるしかないと思います。The Linux Foundationが進めている「Hyperledger」以外は何をしているかわからない。
現状、自分たちの技術は世界一だと自負しているので、その技術を研ぎ澄ませていきます。トランザクションの数を増やすとか、単一障害点の問題を解決するとか、やるべきことはたくさんありますが、まずは「顧客ファースト」で考えます。
miyabiもとにかく顧客が望んでいるのはファイナリティという認識だったので、その機能を持ったアルゴリズムを作りました。これからもニーズを突き詰めていきます。
--今後の展望は。出資もあり、会社も大きくなってきた。
まだまだ、スタートラインにも立っていないと思っています。プライベートチェーン基盤の競合には、Hyperledgerがいます。ユーザーにわれわれを選んでもらうには、Hyperledgerやそれを推進するIBMを強く意識しなくてはいけないということです。
IBMに研究開発費やマーケティング費で勝てるわけはないですが、テクノロジや製品で負けないようにしないといけない。顧客に「Hyperledgerよりいい」という評価を得るまでです。
われわれは技術集団なのでいいものを作ってみんなに喜ばれて評価されることが一番のモチベーションです。世界制覇など派手な文言は好みませんが、世界一の技術を積み上げて多くの顧客に喜ばれたいです。ブロックチェーン基盤として現状では可能性があるものの一つだと思います。金融機関出身なので大きなことを言ったり、「派手な打ち上げ花火」みたいな発表をすることはしたくないんですよね。大きなビジョンを持ってやっていきたいです。
仮想通貨交換事業者への登録規制などを定めた「仮想通貨法」がこの4月に施行されました。2017年は“仮想通貨元年”です。これまでニューヨーク州の金融サービス局(NYDFS)が主導している仮想通貨事業ライセンス制度「ビットライセンス」という州が認めた制度はありましたが、国単位の法律で仮想通貨を支払手段の一つと定義したのは初めてで、世界初の試みです。
日本は仮想通貨立国になったのです。仮想通貨法施行により、ブロックチェーンが盛り上がって世の中便利になったら楽しいですね。