海外コメンタリー

アップル製品の企業利用はどこまで容易に?--導入時に検討すべき要素 - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-04-24 06:30

 「これを可能にするのがIT部門の仕事だ」と同氏は言う。「幸い、AppleとMicrosoftの技術は、最近では相性がよくなり始めている。CIOとしては、両社がそれぞれの技術をさらに近づけてくれることを願うばかりだ。しかしこの2つの技術は大きく異なっており、連携させるにはかなりの作業が必要となる」

3.エンドユーザーが何を必要としているかに耳を傾ける

 スタートアップスタジオBlenheim Chalcot Accelerateのグループ技術責任者を務めるMark Ridley氏は、実際問題として、Apple製品はいまや主流の一角を占めているが、Peers氏が言うように、特にアプリケーションの互換性を中心として、克服しなければならない課題があると述べている。

 「私はMacをうまく業務に取り組んでいる巨大な企業をいくつか知っている」とRidley氏は言う。「しかしその体験は、本来の姿よりも劣っている場合もある。その理由の一部は、ユーザーがしばしばMacでMicrosoftのスタックを使用していることと関係がある。これはおそらくWindowsマシンの方が快適に動作する」

 Ridley氏は、使用する技術の大半がMicrosoftベースである企業で何度か暫定的な役職に就いた経験から、問題はAppleとMicrosoftだけの話ではないと理解することが重要だと考えている。

 「もしデータサイエンティストにLinuxを使うなと言えば、おそらく彼らは苛立つだろう」と同氏は言う。

 どんな組織のユーザーにも、テクノロジに対する好みがあり、それぞれのプラットフォームには独自のメリットがある。「重要なのは、やろうと思えばすべてのOSは併用できるということだ。今や重要なのは、各OSの本質的なセキュリティレベルなどではなく、使い勝手の違いになっている」とRidley氏は述べている。

 「最近では、ユーザーがテクノロジを快適に使えるようになっており、慣れの感覚は体験の重要な要素だ」(Ridley氏)

4.実証済みの技術はビジネスでは重要であることを認識する

 ロンドンの眼科専門病院Moorfields Eye Hospital NHS Foundation TrustのIT部門で臨時の責任者を務めるToby Clarke氏は、エンタープライズ環境へのApple製品導入には、まだ大きな課題があると述べている。Clarke氏は、例えばAppleのデバイスは、同氏の現在の組織では標準ではないと話す。

 「NHSは以前からMicrosoftと長期的な関係を結んでおり、利用しているツールの多くはWindowsベースだ」と同氏は言う。「ほとんどのIT部門の責任者や企業経営者は、この環境を捨てるコストを許容しないだろう」

 Clarke氏はまた、Microsoftが提供しているスタックが優れていることも重要だと述べている。「Microsoftの製品は生産性の観点から見てきちんと動作する。説明書きに書かれている通りの動きをする」と同氏は言う。Clarke氏によれば、Appleは特定の環境には向いており、特にスタートアップとは相性がいいと述べている。

 「Apple製品は特定のタイプの企業には向いており、特にリスクを取ることができる場合には適している」と同氏は言う。「世間と違うことをしていると見られたい企業にはうってつけだ。Apple製品はそのチャンスを提供できる。しかし、多くの企業では、安全で確実であることの方が重視されるだろう」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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