VMwareは「Dell EMC World」で、「VMware Pulse IoT Center」を発表した。「ITとOTチームが自社のIoTインフラを完全に制御できる」ようにするためのスイートだ。VMwareは企業のIoTインフラの管理にも事業領域を拡大しようとしているようだ。
多くのIoT実装では、デバイスから収集したデータの利用と分析にフォーカスしているが、VMwareは管理の問題にさらに取り組もうとしている。VMwareの最高技術責任者(CTO)Ray O’Farrell氏によると、IoTの実装が進んでおり、企業は管理と制御を強化する必要があることに気付き始めているという。「かつてインフラとはデータセンターだったが、現在はクラウド、モバイル、そしてIoTに拡大している」とO’Farrell氏は述べた。「IoTのフォーカスは分析が中心になってきているが、信頼性とセキュリティが今重要な分野だ」(O’Farrell氏)。
O’Farrell氏の見解は的を得ている。2016年、多数のIoTのセキュリティ問題が明るみになった。IoTエンドポイントがセキュリティを考慮せずに実装されると、「Mirai」のようなボットネットがこれを利用可能になり、大きな問題へと発展する恐れがある。
Pulse IoT Centerにより、VMwareは幅広い市場にアクセスできるようになる。IoT実装が実証実験から運用に移る段階で困難に直面しているというのが、VMwareが提起する最大のポイントだ。VMWareによると、顧客は、IoTのユースケース全般で、膨大な数の多様なエッジシステムやコネクテッドデバイスを追跡、可視化、監視、保護するシンプルな手段を求めている。そしてVMware Pulse IoT Centerは、顧客のIoTインフラとさまざまな種類のモノを管理する複雑さを簡素化するという。
Pulse IoT Centerは、VMwareのデバイス管理技術である「AirWatch」、そして「vRealize Operations」ソフトウェアを利用している。主な機能は以下の通りだ。
- IoTエッジシステムとコネクテッドデバイスの管理や監視のためのツールを備えるほか、複数のシステムとの相互運用性もあるという。ルールエンジンにより最新の状態を追跡できる。
- 異常をリアルタイムで追跡したり、全てのエッジシステムを分析し、可視化できる。
- エンタープライズワイプ機能や、ファームウェアを最新の状態にしておくためのセキュリティ機能を備える。
Pulse IoT Centerは現在プライベートベータで、自動車、リテールバンキング、製造、医療など複数の業界の顧客が利用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。