ZDNet:2016年頃からロボによるピッキング支援や、商品識別、空き空間の自動計測、トラック発着管理などの新しい取り組みはお金になっていますか。

シーオス 代表取締役社長 松島聡氏
松島氏:ロボットのピッキング支援は導入する顧客がおり、共同開発などのフックになったため、実施元年という意味では案件はしっかりあります。このサービスに(2018年を)IoT普及元年にするための手直しをして、誰でも使えるようにしなければなりません。
例えば家庭には、掃除機や洗濯機を取り上げたら主婦の暴動が起きるかもしれないくらい普及しています。それと同じで、倉庫からロボットを取り上げたら仕事が回らなくなって現場から悲鳴が上がるというのが本当に普及した姿だと思います。そのために、何を作りどう実証実験をして、精度や品質を高めておくかを検討する時期だと思っています。
IoTビジネスを推進できる組織とは
ZDNet:2年ほど前からIoTに取り組んでいる組織はたくさんあります。どういう形態ならIoTの事業を前に進められたのか、「ベストプラクティス」をお聞きしたいです。
八子氏: 2年前の時点では、IoTプロジェクトは様子見で前に進んでいなかったと話しました。情シスだけでIoTプロジェクトを始めた住宅設備関係の企業や、現場の部門だけで工場のカイゼンに取り組んでいた飲料メーカー、R&Dだけで設備改善のプロジェクトを立ち上げた産業用設備の会社は、みんな1年以内に失敗していました。
IoTは、どこかのタイミングで(データや組織を)全部つなげなければならない。R&Dの人達にはビジネスモデルを考えられませんし、現場の人達は技術要素を分かっていないので、ある時点から前に進まなくなるわけです。
必要なのは、他の部門など「他と混ざる」ことです。さまざまな会社と一緒に取り組んだり、営業とR&Dが一緒にやってみるなど。複数の事業部門で、次に商用化するときにどういう組織体制がいるのかの議論があるような会社なら「進む状態」です。
もしくは現場が困っている時に、情シスの人が「この技術があるよ」とすぐにアドバイスをできるような体制があれば、ジョイントで遅々としていても、進んでいく事例をいくつか見ています。組織論で言うと、単一でやらないことが重要なのかなと思っています。
もう1つ、私が前職のシスコにいた時から意識してきたのは、協業モデルです。自社で持っている技術があったとしても、マーケットの中で秀逸な技術に関しては、ベンダーや技術会社と相談した方が良いということです。