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海外コメンタリー

ブロックチェーンはビジネスをいかに変革しうるか - (page 3)

Jason Hiner (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-06-01 06:30

 こういったことが現実的にどのように機能するのかについて、本記事の冒頭に記した4つの例を詳しく見てみよう。

金融機関

 Bitcoinが普及した結果、ブロックチェーンは仲介者を不要にし、通貨の流れを統制して多くの利益を得ている金融機関に大打撃を与えるという事実を目の当たりにしているはずだ。Tapscott氏は、現在のモバイル決済方法をルーブゴールドバーグマシンにたとえている。つまり、不必要に複雑であり、時間がかかるものとなっているというわけだ。将来はブロックチェーンを利用したトランザクションによって、顧客側からのさまざまなレベルの関与が必要となるだけになるだろう。支払いの場合、顧客が支払えるだけのお金を持っているかどうかというデータだけが必要となる。住宅ローンの場合、顧客はそれに加えて収入と資産、金融関連の取引履歴などを提供するだけで済む。金融機関の出番がなくなるわけではないが、単に資金を移動させるだけではなく、より大きな価値を生み出す活動に軸足を移さなければならなくなるだろう。

電力網

 同様に、今日の電力は、電力を供給するための電力網を管理、統制する中央集中化された実体、すなわち電力会社によって管理されている。しかし、太陽光発電(そしてその他の再利用可能エネルギー源)分野やバッテリ分野で劇的な進化が生み出されている結果、コミュニティーにおけるマイクログリッドといったイノベーションがけん引されている。これにより、家庭やオフィスで太陽光発電を運用し、電力をバッテリに蓄え、必要以上の電力が生み出されたのであれば、市場価格で近隣に販売できるようになる。電力は送電距離に比例して損失が増加するため、電力は近隣で融通しあう方が節約になる。さらに、ブロックチェーンによって、電力供給者と消費者の間で発生するトランザクションにかかるコストも削減できる。現在のところ、電力会社はインフラを統制しているとの理由で、電力の売買価格を設定するという、信頼できる仲介者の立場に位置付けられている。ブロックチェーンとマイクログリッドによって、こういった状況に変革がもたらされるはずだ。

音楽業界

 インターネットの普及により、ミュージシャンはレコードレーベルのくびきから解き放たれ、自らの楽曲をファンに向けて直接販売できるようになることが約束された。しかし、彼らの楽曲は自由にコピーされ、ストリーミングされ、価値がゼロ同然になってしまっている。ブロックチェーンの採用により、楽曲ファイルにそれぞれにロイヤリティとライセンスを組み込めるようになる。ブロックチェーンは使用に際して自動的に小型のマイクロペイメントを生成できるため、アーティストへの支払いは、現在のように最後に回される(支払いがあるとすればの話だが)のではなく、最初に行われるようになる。アーティストのImogen Heap氏も楽曲流通の新たなモデルとしてブロックチェーンの実験を開始している。

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