アクセンチュアは、2月16日、ブロックチェーン活用に関する調査結果を発表した。
この調査はベンチマーキングサービスのマクラガン社と共同で行ったもので、ブロックチェーン技術を使えば、世界の投資銀行上位10行のうち、8行のインフラコストを平均30%削減できる可能性があることが分かった。
今回発表した「Banking on Blockchain: A Value Analysis for Investment Banks(投資銀行におけるブロックチェーン ― 投資銀行での利用価値に関する考察 )」というレポートは、8行の詳細なコストデータの分析に基づくもの。投資銀行における実際のコストデータを分析し、ブロックチェーンがもたらす価値を初めて明確に示すことができたという。
投資銀行は、取引や顧客関連のデータをデータベースに保管しているが、最先端のソフトウエアや通信機能、暗号化技術を活用したブロックチェーン技術を導入すれば、細分化した個別データベースを維持する必要がなくなり、銀行横断的な分散型共有データベースへ移行することが可能になる。取引データは、非改ざん性およびユーザーに必要なセキュリティとアクセスを備えた状態で提供される。
同レポートによると、分散型共有データベースへ移行により、銀行の中核的なミドルオフィス業務やバックオフィス業務の多くに、大幅なコスト削減がもたらされることが想定されるという。
具体的には、検証済みデータソースの共有によって、財務報告にかかるコストを70%削減、フロント部門とミドル・バック部門のコンプライアンス対応コストを30%〜50%削減できるといった可能性があるという。
また、より効率的な個人情報のデジタル管理プロセスが確立され、銀行横断型顧客データソースの安全な共有によって50%のコストを削減し、取引事務、ミドルオフィス、決済、清算および調査などの業務オペレーションの運用コストも50%削減できる可能性があるとしている。