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「真の量子コンピュータ」実現への道--IBMの開発状況を読み解く - (page 2)

大関真之

2017-06-22 07:00

 量子コンピュータでは、「電気が流れるか流れないか」という2つの状態を分離して扱うだけではなく、足し合わせて利用し、複雑に絡み合わせて利用することもできる。そのため、われわれが想像をしている動作の範疇(はんちゅう)を大きく超える。

 この新しい計算能力を利用すると、これまでのコンピュータでは非常に時間がかかってしまうような難問の一部についても比較的高速に解くことが可能になる。

 既存の問題を高速に解くという素朴な期待を超えて、量子コンピュータを人類が手にした時には、人間の思考のスタイルそのものすら変革を迎えることはあまり強調されない。

 ゲート方式による量子コンピュータで期待されているのが、量子シミュレーションと呼ばれる技術の開拓だ。自然法則に従う複雑な現象を細部に渡り、シミュレーションを行うのだ。


東京大学・助教 藤井啓祐氏(ウェブサイトから引用

 今回は彼が語る量子コンピュータの未来について、解説を交えながら紹介していくことにしよう。

 これまでのシミュレーションは、われわれが日常的に使うコンピュータ上で仮想的な世界を作り出してきた。このアプローチは対象が原子や分子など“量子力学に従って振る舞う類”には「計算量が爆発」しうまくゆかない。

 それが量子コンピュータでは、原子や分子などの非常に小さな世界で起きていること、量子力学をそっくりそのまま再現した世界そのものを構築できるのだ。

 それゆえ、そのシミュレーションの精度や速度は、既存のコンピュータを利用したものと比較して圧倒的なものと考えられている。

 「自然法則に従い自在に操作のできる万能な量子コンピュータを人類が手にすることで、この世の中で起こるミクロな細部にわたる森羅万象がシミュレーションできてしまう。これまでは、自然にお伺いを立てて、それに耳をすませるというスタイルで実験が進められて科学は進んできたわけですが、量子コンピュータを利用すればお伺いを立てずに、自らが物質や”宇宙”をシミュレーションし新たな知見を得ることができます」――こう語るのは、量子コンピュータの実現に向けて奔走する若手研究者の雄、藤井啓祐氏(東京大学・助教)だ。

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