Dell Technologiesは7月中旬、米サンフランシスコで女性起業家支援を目的とした年次イベント「Dell Women’s Entrepreneurship Network(DWEN)」を開催した。今年で8回目となるイベントには、日本から参加した3人を含め、世界20カ国から約100人の女性起業家が集まった。
折しもシリコンバレーのベンチャーキャピタルによる女性起業家へのセクハラ問題が露呈しており、そのお膝元で開催されたイベントはこれまで以上の盛り上がりとなった。
VCの3%しか女性起業家に流れていない
今年参加した100人は、防衛・航空、建築などこれまで男性が独占してきたような産業を含む21の業界で起業した女性たち。合計の売上高は1億6000万ドルに上る。同イベントを8年前に立ち上げたKaren Quintos氏は、「女性起業家はイノベーション、雇用創出、経済成長のエンジンだ」と賞賛した。ベンチャー企業の雇用創出は全体の70%に及ぶが、この比率は一部途上国では90%に達しているという。
DellのCCO、Karen Quintos氏。
雇用創出はDellが2015年、国連に賛同してサポートを表明した持続可能な開発目標(SDGs)のGoal 8(目標8:すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する)にも掲げられている。
Dellは国連、それに政治家に向けた取り組みを積極的に進めており、米国では女性起業家支援を強化するポリシーに政治家や企業の最高経営責任者(CEO)からの署名を取り付けた。Trump大統領、娘のIvanka Trump氏も支持しているという。
7月に入り、世界銀行が女性の起業家支援として10億ドルを投じるプログラム「Women Entrepreneurs Finance Initiative」を発表するなど、機運は少しずつだが高まっている。
それでもまだまだ公平ではない。「全ての起業家が公平に競争できる――重要なことだが、まだ実現していない」とQuintos氏。VCが女性起業家に投資する金額は全体のわずか3%。それに加えて、6月にはセクハラ問題も浮上した。
今年のDWENのテーマは「リアルな解決策」。3日間のイベントでは、デジタルトランスフォーメーション、元英国政府で保健大臣を務めたNicola Blackwood氏が英国のEU離脱を説明するなど国際政治・経済動向をテーマにしたセッションなどがゼネラルセッションに選ばれた。これに加え、ファイナンスと資金調達、規制、マーケティング、技術の4つのテーマ別トラックが設けられた。
DWENには世界20カ国から100人の女性起業家が集まった。3日間に渡り、様々なテーマでセッションが開かれた。