Dockerは米国時間8月16日、Container as a Service(CaaS)プラットフォーム「Docker Enterprise Edition」(Docker EE)の最新バージョンである「Docker EE 17.06」をリリースしたと発表した。Docker EEはオンプレミスとクラウドの双方で、「Windows」やLinux、メインフレームといった複数のプラットフォームをまたがって、コンテナ化されたアプリケーションを管理し、セキュアな運用を実現するためのプラットフォームだ。
Docker EEによって、WindowsやLinux、メインフレームのアプリケーションを同一クラスタ内で統合するための単一のコンテナ管理プラットフォームがもたらされる。同プラットフォームにより、Dockerはコンテナオーケストレーション市場のリーダーであるKubernetesと対抗することになる。Dockerのプログラムによって、Bring Your Own(BYO)環境向けのカスタマイズ可能かつ柔軟なアクセス制御が提供されるとともに、さまざまなタイプのアプリケーションやインフラがサポートされている。また、ソフトウェアのサプライチェーンを統合するとともに自動化するためのポリシーをあらかじめ定義しておくという新機能も提供されている。
Docker EEはDockerの商用プラットフォームをリブランドし、位置付けを見直した製品であり、「Docker Commercially Supported」エディションと「Docker Datacenter」プラットフォームとして知られていた製品を組み合わせたものとなっている。Docker EEの最初のバージョンは2017年3月に発表された。それ以来、Dockerは「Docker Community Edition」(Docker CE)の新バージョンを月次でリリースし、同エディションで有用だと判断された機能を、Docker EEに取り込むようにしている。
新バージョンのDocker EE 17.06は、「Docker CE 17.06」に基づいて構築された製品だ。またこれには、プライベートなDockerレジストリや管理インターフェースといったDocker Datacenterの機能が複数含まれている。
Docker EEには、「Basic」と「Standard」「Advanced」という3種類が用意されている。またDockerは、サードパーティーの企業がDockerのフレームワークと統合したソフトウェアを「Docker Store」上で販売できるようにするための認定プログラムもローンチしている。
- Basicには、認定インフラ向けのDockerプラットフォームと同社のサポートが含まれる。認定コンテナとプラグインはDocker Storeから利用可能となっている。
- Standardには、イメージやコンテナの先進的な管理機能と、データセンターへのセキュアなフックメカニズムを提供することによる、マルチテナンシーのサポートが追加される。
- Advancedには、上記機能とともに、セキュリティスキャン機能と脆弱性の監視機能が含まれる。
Docker EEは「CentOS」と「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)、「Ubuntu」「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)、「Oracle Linux」「Windows Server 2016」とともに、「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」といったクラウド向けとして認定されている。また、この新バージョンはIBMの「z Systems」で稼働するLinux上でも動作する。
技術的な観点から見た場合、Docker EEは開発チームや業務部門をまたがって利用できる、一元化されたアクセス制御とセキュリティポリシーなどのための単一のオーケストレーションシステムを、コードやプロセス、手続きを変更することなくLinuxやWindows、メインフレームアーキテクチャ上で提供するというものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。