中国の人が住むところではどこでも見かけるスマートフォン向けのQRコード。日本のようにQRコードをかざすことで詳細やアプリ・コンテンツがダウンロードできるページに飛べたり、QRコードをスマートフォンで読み込むと、金を送金できる電子決済ができたりする。
新しいテクノロジが普及すれば、それを悪用するケースも出てくる。中国においてはPCを普及させた騰訊(テンセント)製チャットソフト「QQ」において、QQを活用した犯罪が多数発生してニュースに取り上げられた。QRコードについてもそれを活用した犯罪をしばしば聞くようになった。日本でも今後さらに普及が進むとみられるQRコードについて、ここで再度まとめてみたい。
中国でのQRコードの活用をあらためて振り返ると、QRコードをかざすと表示されるのは「名刺代わりとなる個人サイト」「地図情報」「商品ページ」「店舗のキャンペーン商品情報・電子クーポン」「ECサイトの商品ページ」などがある。
紙の本や新聞でもQRコードがあり、例えば学習参考書や問題集で、より詳しい回答や解説が知りたい場合はQRコードをスキャンといった形で導入されている。少数の商品を扱うショップにおいては、全ての商品の値段表示の横に商品を紹介ページにジャンプするQRコードを用意する店もある。
QRコードをインターネットで活用し始めたころは「スキャン族」なる言葉も出るほど、技術好きな人々がQRコードを出しては読み取っていた。QRコードが普及した昨今は、やたらにQRコードをスキャンするのは危険、と地下鉄やバスのモニターや、テレビ番組や、ニュースサイトなどで啓蒙しているため、むやみにスキャンするような人は見かけなくなった。それでもセキュリティ上、危険なQRコードをスキャンしてしまうケースは絶えない。
現在中国で確認されているQRコードを活用した犯罪については、「フィッシングサイトやウイルスアプリのダウンロードリンクが表示されるサイト」や「個人情報を入力させるためのオフィシャルサイト似のサイト」にジャンプするQRコードを思わずスキャンしてしまいがちな場所に張り付けるという犯罪が多い。
また個人情報を含むQRコードがあるエアチケットや鉄道の切符などを不正に取得し、専用の機器、ソフトを読みとることによる個人情報の漏洩もある。
闇雲にQRコードをスキャンしてはいけないのに、それでもQRコードをスキャンしてしまうことがある。そのケースを紹介しよう。