話題のデジタル。デジタルマーケティング、デザイン思考、クリエイティブ、ブロックチェーン、デジタルトランスフォーメーション、IoTーー。デジタルを連想させる言葉には枚挙にいとまがありません。
デジタルとは、最新のテクノロジなのかデザイナーが創造する芸術の領域なのか、この講座ではデジタルをさまざまな視点から深掘りし、皆さんと一緒にデジタルIQを高めていきたいと思います。
デジタルの定義
身近にはびこるデジタルという言葉。意外ときちんとデジタルの言葉そのものについて考えたことはないのではないでしょうか?
そもそもデジタルとは、連続量を表すアナログと反対の概念であり、とびとびの値で示される離散量のことを指します。分かりやすく言えば、なだらかな曲線ではなく、カクカクのロボットのようにカクカクした形のイメージです。
コンピュータのプログラムは二進コードで構成されています。全てのデータや命令を二進コード、つまり0と1でカクカクした世界で全てが表現されるのです。
つまりコンピュータはデジタルであると言えます。でも、対象がカクカクした連続量で表現されなければ最新のテクノロジを使っていてもデジタルとは言えないのです。
そろばんがデジタル?
そういう意味では、On、Offで表現される“そろばん”はデジタルなんですね。デジタルは最新のテクノロジというイメージは間違いという事です。そろばんからデジタルの起源を考えると、古代バビロニアで十進法の数字が誕生して、古代バビロニアでそろばんの起源とも言われるアバカスが発明されたのが紀元前2000年頃。デジタルの起源は、紀元前2000年!
悪ノリが過ぎました……。そろばんは、さておき(笑)コンピュータがデジタル的なイメージを喚起するのは異論がないはず。では、デジタルの起源を探しにコンピュータの歴史を振り返って見ましょう。世界初のコンピュータである、1万7468本の真空管からなるENIACが完成されたのは1946年。
データの二進法をコンピュータ上で実現する二極真空管までさかのぼると、1905年 の John Fleming(ジョン・フレミング)まで行き着きます。ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功したのが1903年ですので、さすがに今のデジタルとは連想ゲームですら追いつかない。
デジタルをあまり真剣に定義しようとすると、テクノロジの歴史そのものになってしまいますね。コンピュータ=デジタルではあるものの、コンピュータそのものがデジタルの全体像ではないようです。