機械学習や分類エンジンでデータを可視化する新SDS製品など
9月19日から3日間、米ラスベガスで開催した米Veritas Technologiesの年次カンファレンス「Veritas Vision 2017」で、SDS(Software Defined Storage)の新製品「Veritas Cloud Storage」と「Veritas Access Appliance」を発表した。
これまでVeritasはSDSソリューションとして「HyperScale for OpenStack」「HyperScale for Containers」「InfoScale Enterprise」(Tier1エンタープライズアプリケーション向け)、「Veritas Access」(クラウド連携NAS)をリリースしてきた。拡大の見込まれるハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)市場を見据え、SDS製品のさらなる拡充を目指す。
IoTやAI(機械学習など)の普及に伴い、企業で扱う非構造化データ量は増加傾向にあり、今後3年で50〜200%の増えると見込む。基調講演でそう述べたVeritasの最高製品責任者(CPO)、Mike Palmer氏は、3年おきにハードウェアやソフトウェアのアップグレード、リース更新を繰り返す“負のサイクル”で膨大なIT予算を溶かすのは目に見えていると指摘。
レガシーの高額なハードウェアストレージではなく、コストおよび運用の効率化が可能なSDSの採用は必然とした。
Veritas Cloud Storageは、非構造化データを機械学習や分類エンジン、アナリティクスに基づき可視化するためのオブジェクトストレージソフトウェアだ(アプライアンスでも提供予定)。分類エンジンは、日本で先月提供開始された「Integrated Classification Engine」を採用。
クレジットカード番号やパスポート番号など個人識別情報を認識するためのパターン、GDPR(EU一般データ保護)やHIPAAなどの法規制、リスクの高いキーワードを識別する辞書などをベースにデータをタグ付け、分類することで、データの場所を問わず、適切な管理および保護を実現する。
ワークフロー機能のほか、情報の検索や取得、活用に向けたコネクタやプラグイン、SDK、APIも多数用意する。提供は、来年初旬を予定する。
Veritas Cloud Storage
Veritas Access Applianceは、マルチクラウド対応の統合型SDSアプライアンスだ。Veritas Enterprise Vaultのプライマリアーカイブストアとして機能させたり、プライベートクラウドやIaaSに置いて低コストなストレージとして活用したりと、用途は多様。Veritas NetBackupと連携させて、強力なデデュープ機能で効率的なストレージ管理やデータのライフサイクル管理を実施することもできる。
Veritas Access Appliance