クラウド人事アプリケーションのWorkdayは10月9日から3日間、米シカゴで年次ユーザーカンファレンス「Workday Rising 2017」を開催した。クラウド人事の草分け的存在の同社だが、PaaSの「Workday Cloud Platform」、アナリティクス「Workday PRISM」、データクラウド「Workday Data as a Service」が大きなニュースとなった。SaaSベンダーからの拡大が始まったと言えそうだ。
HCMだけじゃない、財務、プランニングなども揃えるWorkday
WorkdayはPeopleSoftの創業者であるAneel Bhusri氏とDavidDuffield氏が2005年に立ち上げた人事のSaaSカンパニー。Fortune500の150社を含む1800社が利用しており、エンドユーザー数は2600万人を数える。Risingは今年で11回目、約8500人が参加した。日本企業では日産自動車、日立製作所、ファーストリテイリングなどが名を連ねる。
10日の基調講演に登場した共同創業者で最高経営責任者(CEO)のBhusri氏は、集まった顧客に対し顧客満足度が98%であることを発表した。「ユーザーが少しでも良く仕事ができ、ハッピーになるものを」と述べ、Workdayの製品攻略のポリシをAppleになぞらえた。AppleのSteve Jobs氏が「クリエイティビティと技術を結びつけた」ように、Workdayは「ビジネスのトレンドと技術のイノベーションが交差するところを探っている」とBhusri氏。
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Workdayの共同創業者でCEOを務めるAneel Bhusri氏
ビジネスのトレンドとしては、グローバル化、規制、職場の変化などを挙げ、技術イノベーションではクラウド、モバイル、ビックデータ、動画、コラボレーション、機械学習、AIなどを挙げた。Bhusri氏が合わせて挙げたのが、Amazon、Facebook、Netflix、Googleといったコンシューマーインターネット企業だ。
「Workdayのクラウドプラットフォームはコンシューマーインターネットと同じように進化してきた」とBhusri氏。具体的には、マルチテナント、セキュリティ、コンシューマー向けのユーザーインターフェイス、ワークフローの4つの特徴を挙げた。例えばWorkdayの新しいモジュールとなるラーニングでの動画の活用はその一例だという。
WorkdayはHCM(Human Capital Management)でスタートし、2008年には財務・会計管理「Workday Financial Management」、2016年にはプランニング・予算管理「Workday Planning」それに高等教育向けの学生情報管理「Workday Student」と拡大してきた。企業は業種業態に関係なく「プラン」「実行」「分析」を回しており、これを支援するとBhusri氏は拡大戦略のポリシーを説明する。Bhusri氏は「今日の問題に応え、将来も使える(future proof)システム」と胸を張る。
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Workdayは、企業のプラン、実行、分析サイクルに合わせた製品を揃える。