プライベートクラウドが潤沢なIT予算を持つ大規模組織向けのサービスと見なされる一方で、オープンソースはディスラプターとしての役割を果たし続けており、中小規模企業(や大規模企業の部署)にもこの分野で環境を構築する機会を提供している。クラウドコンピューティングのオープンソースプラットフォーム「OpenStack」がユーザーベースを拡大し続けており、マルチクラウドの取り組みへの移行を進める企業内でますます大きな役割を果たすようになっている。
こうしたことが、OpenStackの最新のコミュニティー調査で明らかになった。本調査によると、2017年に記録されたOpenStackのユニーク導入件数は前年比で95%増加したという。
OpenStackユーザーの間で、マルチクラウド統合に向かうトレンドが活発化している。約48%はほかのクラウドも利用しており、38%から増加しているという。OpenStack環境とともに利用するクラウドの中で最も人気が高いのは、依然として「Amazon Web Services」(AWS)だが、シェアは前回の58%から48%に縮小した。28%が「Microsoft Azure」プラットフォーム、21%が「Google Compute Engine」ベースのクラウドも利用している。City Networkの最高経営責任者(CEO)のJohan Christenson氏(本調査の回答者の1人)によると、マルチクラウドは健全な市場を実現するという。
「IaaS市場では、競争が直接的に求められているとわれわれは考える。OpenStackは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方で堅実な選択肢になり、真にハイブリッドな可能性を作り出すことで、競争をもたらしている」(Christenson氏)
OpenStackコミュニティー内で、デプロイモデルとして最も多いのは、依然としてオンプレミスのプライベートクラウドで72%となっている。一方、パブリッククラウドサービスでOpenStackを実行するユーザーは12%である。

提供:Joe McKendrick
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。