国立情報学研究所(NII)とLINEが人工知能(AI)分野で共同研究を行うことになった。ただ、主な研究テーマはAIならぬ「RI」。これから注目を集めるかもしれないRIとはいったい何か。
主な共同研究テーマに「Robust Intelligence」
NIIとLINEが先頃、AI分野での共同研究に関する覚書を締結し、2018年度に共同研究部門を設置するなどの具体的な取り組みについて協議を始めたことを発表した。NIIとLINEは共同で、「Robust Intelligence(ロバストインテリジェンス)」と「Social Technology(ソーシャルテクノロジ)」を主軸とした社会課題解決のための強靱(きょうじん)な知識基盤の研究に取り組んでいく予定だ。
共同会見に臨んだNIIの喜連川優所長とLINEの出澤剛社長によると、共同研究部門はNIIに設置し、LINEが必要な経費を負担するという。
共同会見に臨むNIIの喜連川優所長(左)とLINEの出澤剛社長
NIIは全国の大学や他の研究機関からも研究者を募り、共同研究部門設置時には、京都大学、東北大学からも研究者が参加する計画。一方、LINEは所属する研究員やエンジニアを共同研究に参加させるほか、自社内にNIIと連携して研究を行う研究部門を設置するとしている。
今回の共同研究について、喜連川氏は「商業的な価値を追求するのではなく、社会にとって必要な技術の研究に注力していきたい」と強調。出澤氏も「タッチで操作するスマートフォンの次に来るものは何か。LINEのサービスの進化とともに、日本の社会課題解決に寄与していきたい」と意気込みを語った。(図1参照)
図1:共同研究部門の研究範囲のイメージ