松岡功の一言もの申す

国立情報学研究所とLINEが共同研究するAIならぬ「RI」とは何か

松岡功

2017-11-30 11:00

 国立情報学研究所(NII)とLINEが人工知能(AI)分野で共同研究を行うことになった。ただ、主な研究テーマはAIならぬ「RI」。これから注目を集めるかもしれないRIとはいったい何か。

主な共同研究テーマに「Robust Intelligence」

 NIIとLINEが先頃、AI分野での共同研究に関する覚書を締結し、2018年度に共同研究部門を設置するなどの具体的な取り組みについて協議を始めたことを発表した。NIIとLINEは共同で、「Robust Intelligence(ロバストインテリジェンス)」と「Social Technology(ソーシャルテクノロジ)」を主軸とした社会課題解決のための強靱(きょうじん)な知識基盤の研究に取り組んでいく予定だ。

 共同会見に臨んだNIIの喜連川優所長とLINEの出澤剛社長によると、共同研究部門はNIIに設置し、LINEが必要な経費を負担するという。


共同会見に臨むNIIの喜連川優所長(左)とLINEの出澤剛社長

 NIIは全国の大学や他の研究機関からも研究者を募り、共同研究部門設置時には、京都大学、東北大学からも研究者が参加する計画。一方、LINEは所属する研究員やエンジニアを共同研究に参加させるほか、自社内にNIIと連携して研究を行う研究部門を設置するとしている。

 今回の共同研究について、喜連川氏は「商業的な価値を追求するのではなく、社会にとって必要な技術の研究に注力していきたい」と強調。出澤氏も「タッチで操作するスマートフォンの次に来るものは何か。LINEのサービスの進化とともに、日本の社会課題解決に寄与していきたい」と意気込みを語った。(図1参照)


図1:共同研究部門の研究範囲のイメージ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. 経営

    プロが教える“使える業務マニュアル”--作成・運用を実現する3つのポイント

  5. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]