「Alexa、電話会議を開始して」
「Alexa、午後7時にオフィスを消灯して」
「Alexa、この部屋を午後1時に予約して」
これらのコマンドは、Amazon Web Services(AWS)の「Alexa for Business」戦略を通じてあなたのオフィスでも使えるようになるはずだ。この戦略は、開発者にちょっとした民主化をもたらすとともに、Appleが得意としてきているコンシューマライゼーションというアプローチも含んだものとなっている。Amazonは「Alexa」を搭載した「Amazon Echo」を家庭に普及させ、今度は、手頃な価格のこのハードウェアを、あなたのオフィスにもたらそうとしているのだ。
Microsoftの「Cortana」やGoogleの「Googleアシスタント」といったデジタルアシスタントがひしめきあう分野へのAlexa for Businessの参入は、競合企業にとってどの点から見ても悪いニュースと言えるだろう。
Amazonの最高技術責任者(CTO)Werner Vogels氏は、同社の年次イベント「re:Invent」の基調講演においてAlexa for Businessを発表し、音声がデジタルシステムの新たな利用方法に向けた扉を開くとともに、そのようなシステムの構築手法を変革すると主張した。
またVogels氏は、Alexa for Businessを紹介する際、音声機能の活用は理にかなっていると述べ、会議室や机で使うデバイスやテクノロジは複雑すぎると付け加えた。
同氏によると「あらゆる会議は10分遅れで始まる」という。Alexa for BusinessはAlexaをオフィスにもたらし、電話をかけたり会議を開始したりできるようにするマネージドサービスだ。またAWSは、「Microsoft Exchange」や、Cisco SystemsやPolycom、Salesforce、SAP、Splunkといった企業の製品との連携に向けた提携関係も樹立している。
AWSの計画は、Alexaを利用するスマートオフィスに向け、マネジメントプランを簡素化したかたちで提供するというものだ。また、Alexaのすべてのスマート機能はクラウド上にあるため、AWSはこの点でもメリットが得られるはずだ。