UPDATE 情報処理推進機構(IPA)は1月30日、個人および組織における2018年版の「情報セキュリティ10大脅威」を発表した。最大の脅威として組織では「標的型攻撃による情報流出」、個人では「インターネットバンキングやクレジットカード情報の不正利用」を挙げている。
「情報セキュリティ10大脅威」は、前年に発生した社会的な影響が大きいと考えられる情報セキュリティにおける事案の中からIPAが候補を選出し、情報セキュリティ分野の研究者や企業の実務担当者などからなる「10大脅威選考会」が審議・投票を通じて決定するもの。2017年から個人と組織の2つの視点で選出を行っている。
IPAが発表した2018年版のセキュリティ10大脅威(訂正版)
組織では2位に「ランサムウェア被害」を挙げ、1位と2位は前年と同様だった。新たに3位の「ビジネスメール詐欺(BEC)」、4位の「脆弱性対策情報の公開に伴い公知になる脆弱性悪用の増加」、5位の「セキュリティ人材の不足」がランクインした。
3位のビジネスメール詐欺は、IPAが2017年4月に注意を行ったものの、同年末には大手航空会社で多額の金銭がだまし取られる被害が発生した。4位の公開された脆弱性対策情報の悪用では、被害抑止の迅速化を図る必要性とその悪用を狙う攻撃者の活動という情報公開をめぐるジレンマが課題となっている。
個人では1~6位までは前年と同じ内容だが、10位には「偽警告」が新たにランクインした。偽警告は、PCやスマートフォンでウェブサイトを閲覧中に、「ウイルス感染」などの偽警告を表示してユーザーの不安をあおり、個人情報や金銭などの窃取を狙う手口。巧妙な細工によってユーザーが信じてしまい、攻撃者の指示に従って被害に遭う。
IPAでは3月下旬に、10大脅威の詳しい解説をウェブサイトで公表するとしている。
※記事内容の変更(2018年1月31日):IPAの報道発表内容に訂正があり、2018年版のセキュリティ10大脅威の画像および個人に関する順位の記述を変更しました。(編集部)