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Cisco傘下AppDynamicsのCTO--生き残るにはアジャイルが必要 - (page 2)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2018-04-06 18:03

ーー今後どのような機能強化を予定していますか?

 2017年秋にPerspicaを買収しました。ストリームプロセスで機械学習を行うもので、今後6〜8カ月でAppDynamicsの技術に組み込んでいきます。これにより、例えば根本的な原因の解析を自動化するなどのことが実現します。

 PerspicaはCiscoの買収ですが、AppDynamicsが関与しており、我々のビジョンをCiscoが支援している例と言えます。

 2016年後半に導入した「Business iQ」も強化します。Business iQはコアのAPMユースケースを土台に、アプリケーションの性能がビジネスに与えるインパクトを測定できます。ITとビジネスの結びつきが強まっており、ITは”ビジネスに影響している原因は何か?”を即答することが求められています。

 4.4ではBusiness iQで”Business Journey”として、単一のステップではなく複数のステップにまたがるビジネスプロセスを把握できるようになりました。クレジットなら、申請、審査、承認と複数のステップを経ており、Business Journeyにより、エンドツーエンドで見ることがきます。

ーークラウドコンピューティングのアーキテクチャが変わっており、マルチクラウド、コンテナなどが台頭しています。新しいトレンドは製品にどのような影響を与えているのでしょうか?

 DockerとKubernetesを使っていても、Red HatのOpenShiftを使っていても、AppDynamicsはこれらを全てカバーできます。これはわれわれの強みです。AppDynamicsは創業時から分散型アプリケーションにフォーカスしています。

 重要なことは、われわれがモニタリングするのはビジネストランザクションをベースにしていることです。その土台がコンテナでも仮想化でも、物理ハードウェア上に実装していたとしても問題はありません。

 エンタープライズはこの10年間、物理ハードウェアから仮想化、クラウドと変化してきました。データベースもリレーショナルデータベースからNoSQLが普及しています。ブラウザ、モバイル、そしてIoTという流れもあります。AppDynamicsは依存しないソリューションを提供します。例えば、Oracleのデータベース向けのマネージャーを導入していたとしても、NoSQLに移行すると使えなくなります。その次にどの技術を使うのかはわかりません。

 重要なのは顧客のアプリケーション体験です。土台の技術に依存しないソリューションである点は、AppDynamicsの重要な特徴です。

ーー日本市場をどう見ていますか?

 世界的に見てもAPM自体がまだ完全に普及しているとは言えず、ログファイルを使っているところも多いです。APMはまだまだ新しい分野です。DevOps、マイクロサービス、コンテナのトレンドにより、モニタリングが戦略の一部になりはじめており、将来APMはインフラの一部になると予想しています。

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