データアナリティクスを通じた文化の変革は容易ではなかったという。Birchall氏は、Santanderが3年前に直面していた状況が「暗たんとしたものだった」と述べた。Santanderのアナリティクスプラットフォーム上では限られたデータしか利用可能ではなく、その正確性にも問題があったため、信頼が十分に得られているとは言えなかったという。
Birchall氏は「われわれは命の吹き込まれていないテーブルを作成し、人々はスプレッドシートと格闘していた。そうした状況を変え、チームに力を与えるために支援したいと考えた」と述べるとともに、そのためにはテクノロジと人材に投資する必要があったと述べた。「Adobe Analytics」プラットフォームへの投資に向けた同氏のビジネスケースは取締役会からの承認を得た。そうしたアナリティクスによって、企業幹部は顧客エクスペリエンスの向上が見込めるプロジェクトの洗い出しが容易になるはずだと同氏は述べた。
Birchall氏はその後、他の部門が同アナリティクスプラットフォームを使用して、自立したかたちで洞察を生み出せるよう支援した。
Birchall氏は「われわれは投資し、業務部門は事実に基づいて意思決定を行うべきだという結論に達した」と述べ、「われわれは企業としてより優れた対話を促進できる。静的なレポートの時代は終わった。われわれはより多くの機会に向かう鍵を手にしている。そして新たな可能性への扉を開けるために、不正対策チームや顧客関係管理チームなどと協力していくことになる。立ち止まりはしない。今年の日程はぎっしり詰まっている」と続けた。
＃2：データを活用して顧客エクスペリエンスを変革する
小売業Bodenのデジタルエクスペリエンス責任者を務めるPhil Lewis氏は、デジタルな洞察と、デジタルな取り引き、デジタルな製品およびユーザーエクスペリエンスという3つのチームを率いている。Bodenの180万人という顧客の95％はオンラインで商品を購入しているものの、同社は大通り沿いに出店する戦略を掲げており、既にロンドン中心地に店舗をオープンしている。
Lewis氏は「刺激的な時期だ」と述べ、「私はBodenで、業務部門が求めるものごとを与えられるパートナーであり続けられるよう努力している。また、情報に基づいたスマートな意思決定を可能にするためにデータを活用しようとしている。われわれは顧客に焦点を当てている。素晴らしいサービスや魅力的なエクスペリエンスをもたらしたいと考えており、ユニークなアプローチに向けて大胆な行動を取っている」と続けた。
