「世界で最も安全で管理性に優れた製品」を投入
日本HPが先ごろ、法人向けPCの新製品を発表した。世界のPC市場をリードするHPは、法人向けPC事業をどう展開していくのか。この 機に、日本HPでPC事業を統括する九嶋俊一専務執行役員に聞いてみた。

日本HPの九嶋俊一専務執行役員パーソナルシステムズ事業統括
「先進のセキュリティ機能で多様な働き方を支援する製品を提供したい」――。日本HPが先頃発表した法人向けPCの新製品について、九嶋氏はこう強調した。
新製品は、ノートPC「HP EliteBookシリーズ」とモバイルワークステーション「HP ZBookシリーズ」の新モデル3機種。いずれも「世界で最も安全で管理性に優れた製品」と触れ込むほどの力の入れようだ。その詳細は発表資料を参照いただくとして、ここでは九嶋氏が言う「先進のセキュリティ機能」をピックアップしておこう。
最初に特筆すべきは、HPが独自に開発したセキュリティ専用のプロセッサ「HPエンドポイントセキュリティコントローラー」を搭載していることだ。システムから独立し暗号化されたこのプロセッサが、BIOS、OS、アプリケーションなどへのサイバー攻撃を予防、検知、復旧するHPならではの統合セキュリティソリューションの基点となり、以下のようなセキュリティ機能を提供している。
まず、自己回復型BIOS機能の「HP Sure Start」は、これまで提供してきたBIOSの自己回復とランタイム侵入検知に加えて、HPエンドポイントセキュリティコントローラー内の情報を暗号化し、さらに管理対象をサードパーティー製のファームウェアに拡張している。
また、ハードウェアに基づく自己回復機能をOSにまで拡張した「HP Sure Run」機能は、ウイルス対策などの主要なプロセスやアプリケーションを監視し、変更が検出されると通知する。万一、それらが停止した場合にはプロセスやアプリケーションを自動的に再起動し、安全な状態に復旧する。
もし、ハードディスクの中身が消去された場合でも、「HP Sure Recover」機能によってネットワーク経由でそのマシンの正常なシステムイメージを復旧可能。このほか、不正なサイトの閲覧によるマルウェア感染を防ぐ「HP Sure Olick」機能や、ビジュアルハッキング(盗み見による機密情報の漏えい)を防止できる内蔵型プライバシースクリーン「HP Sure View」なども搭載している。