Dell Technologiesの傘下にあるVirtustreamはパブリッククラウドを手がける企業として、アプリケーションの移行とクラウド上での運用で顧客を支援している。同社は1500人の従業員を抱えており、10カ国で合計20カ所を超えるデータセンターを運営している。米ZDNetは、VirtustreamでEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域を担当する最高技術責任者(CTO)Roberto Mircoli氏にインタビューし、同社について詳しく語ってもらった。
Roberto Mircoli氏
提供:Colin Barker/ZDNet
--Virtustreamという企業について教えてください。
VirtustreamはDell Technologiesの傘下にあり、パブリッククラウドを手がけています。2009年に創業し、2015年にEMC(現Dell EMC)によって買収されました。そして2016年にDellがEMCを買収した際、VirtustreamはDell Technologiesファミリーの一員となりました。
2009年の創業時に話を戻すと、同社は5人の創業者の手によって設立されました。これら5人は業界での豊富な経験を持つベテランだったため、俗受けするシリコンバレーの新興企業という感じはまったくありませんでした。そのうちの2人は現在もVirtustreamに籍を置いています。1人は現最高経営責任者(CEO)のRodney Rogers氏であり、もう1人はCTOのKevin Reid氏です。彼らは米国において大規模ERPシステムを配備した豊かな経験を携え、Virtustreamを立ち上げたのです。
両氏の経験の中核には、大規模システムの配備に欠かせないノウハウがありました。そして、その他2人の創業者は、ネットワーキングやストレージ、コンピュート、仮想化にまつわるインフラ関連の専門技術を有していました。これにより、興味深いスキルの組み合わせが実現できました。さらに、5人目の創業者はSAPで研究開発センターを運営していた人物です。
これらの人々は、互いのスキルセットを組み合わせ、補い合いながらそれぞれの長所を引き出していきました。彼らが立ち上げようとしていた会社は極めて特殊な市場機会に狙いを定めていたため、こういったことが重要となったのです。その市場機会とは、クラウドへの移行に向けた可能性にまつわるエンジニアリング上の問題の解決でした。
またこれは、一般的なクラウドへの移行を考慮して設計されていないカテゴリのワークロード、すなわちミッションクリティカルなレガシーアプリケーションを扱うという意味を持っていました。
--多くの企業はインフラがキーポイントとなる場合、レガシーアプリケーションのクラウドへの移行に気後れするというのは本当でしょうか?
まったくその通りです。特にこの種のカテゴリのワークロードではその傾向が強くあります。例として、SAPが扱うようなワークロードを見てみましょう。このカテゴリにはさまざまなワークロードがそろっています。ひと言で述べると、ミッションクリティカルなワークロードです。では、どういったものをミッションクリティカルと呼ぶのでしょうか?障害が発生すると致命的な問題に発展するものはすべてミッションクリティカルなワークロードです。これが、業務的な観点から見たミッションクリティカルの定義です。