グーグルが開いたクラウドサービスの発表会見で、みずほ銀行がユーザーとして登場した。説明に立ったIT担当者がそこで語った同行のクラウド事情とは――。
グーグルの会見にみずほ銀行から2人のゲストが登壇
グーグルが先頃、パブリッククラウド「Google Cloud Platform」(GCP)の東京リージョン(東京GCPリージョン)において、データウェアハウス(DWH)サービス「Google BigQuery」の提供開始を発表した。発表会見では、東京GCPリージョンでの提供開始に先立ってBigQueryを試験的に利用した結果を、みずほ銀行のIT担当者などが説明した。
新サービスについての会見の内容は関連記事をご覧いただくとして、ここではこの会見において見えてきた、みずほ銀行のクラウド事情についてお伝えしたい。
その前に、新サービスについて説明したグーグルのGoogle Cloudカスタマーエンジニアである寳野雄太氏が、GCPのサービス内容について触れていたので記しておこう。同氏によると、GCPのデータセンター群であるリージョンは現在、世界で15拠点あり、さらに4拠点が建設中だという。日本では2016年11月に東京リージョンを開設し、2019年内に大阪リージョンも設ける予定だ。東京リージョンで利用可能なサービスは図1の通りである。
図1:東京GCPリージョンで利用可能なサービス
さて、グーグルが開いたこの会見では、みずほ銀行から2人のゲストが説明に立った。個人マーケティング推進部データベースマーケティングチーム参事役の黒須義一氏と、IT・システム統括第一部戦略情報基盤システム推進チーム調査役の家村育民氏である。黒須氏はクラウドプラットフォームの活用推進と共同利用に向けた企画推進、家村氏はデータ活用促進のためのIT戦略立案を担っているという。
筆者が興味深く感じたのは、銀行内でも、すなわちユーザー部門とIT部門の担当者がそろってこうした会見に登壇していたことだ。グーグルの新サービスでいうと、利用者と管理者という立場になるので一緒に説明しても不思議ではないが、グーグルの会見でもあり、何とも新鮮な印象だった。
左から、グーグルの寳野氏、みずほ銀行の黒須氏、家村氏