2018年に人工知能(AI)業界は1兆2000億ドル(約131兆円)規模に達し、顧客体験ソリューションが最もビジネス価値を生み出す見通しだ。
Gartnerは米国時間4月25日、2018年にAIがもたらすビジネス価値の予測を発表した。同社によれば、2018年にAIが世界で創出する企業価値は総額1兆2000億(約131兆円)ドルに達し、2017年と比べて70%増加するという。
そして2022年には、AIに由来するビジネス価値が3兆9000億ドル(約426兆円)に達する見通しだ。
Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントであるJohn-David Lovelock氏は、次のように述べている。「AIは今後10年間に、計算能力、そしてデータの量、発生頻度、多様性の進展に加え、深層ニューラルネットワーク(DNN)が進歩することで、最も破壊的な影響力を持つ技術になるだろう」
Google、Apple、Microsoft、IBM、NVIDIAなどの企業はすでに、AIベースの製品およびサービスの研究開発に精力的に取り組んでいる。調査会社CB Insightsによれば、顧客関係管理(CRM)、自動車、販売、マーケティング、商取引などの分野に重点を置いた人工知能を専門とする新興企業も、世界各地で続々と誕生している。
Gartnerは、まず顧客体験分野で力強い成長がある一方、大手企業は深層学習、ニューラルネットワーク、機械学習ソフトウェアなど、AIとその派生的技術に実験的に取り組むとみている。
例えば仮想エージェントが、コールセンターの単純な顧客の要望を受けたり、業務を代行したりすれば、企業は顧客向けヘルプラインのコストを削減できる。
2018年にAIベースのエージェントが、AI由来のビジネス価値で占める割合は約46%になる見通しだ。しかし企業が、より高度なAIソリューションに投資するようになると、2022年には26%に減少するだろう。
2018年に、意思決定を支援、強化するAI技術が、世界のAI市場価値で占める割合は36%で、2022年にはAIが創出する世界のビジネス価値のうち44%を占めると予想されている。