エンドユーザーITもモード1/モード2のバイモーダルで
集まったIT担当者に向かって、針生氏はGartnerが提唱するバイモーダルの考え方をエンドユーザーITにも取り入れるよう推奨する。エンドユーザーITの場合、モード1が標準化されたオペレーション型で、モード2がパーソナライズされたエコシステムとなる。モード1でしっかり作り、きっちり運用することで、業務の維持やコスト削減を図る一方で、モード2でデジタルビジネスの推進などビジネスの成長につながる取り組みを進めていく。モード1は重要だが「最近の考え方はモード2にシフトしつつある」という。
モード2にシフトするにあたって、エンドユーザーIT担当が「新しいテクノロジーに挑戦する」ことを針生氏は推奨する。
その理由は、コンシューマーITが当たり前になっており、グローバルとの競争によりテクノロジーの戦略的活用が命題だ。さらにはリソースが限られており、最新技術を使って効率化を図る必要があるからだ。
どうやっていいか分からないという声に対しては、「とにかく触ってみることが大切」という。また、時間がないという状況に対しては、メンバーがトレーニングに参加できるようにリーダーが率先して機会を作ることが大切、ともいう。例えばチームミーティングの時間を長くして、新しい技術に一緒に取り組んではどうかーーチームで安価なロボットキットを買って一緒にロボットを作ってみるなどーーと具体的なアドバイスもあった。
Gartnerでは2023年までにEUC(エンドユーザーコンピューティング)スタッフの50%が、新しい技術のスキルセットを獲得する必要に迫られる、と予想している。「ITに期待が寄せられている。ITは専門家であり、ITこそ新しいテクノロジに取り組んでいただきたい」と針生氏。「ITができなければ自分たちでやろうとする人が出てくるだろう」とも述べた。IT担当が持つべき視点の1つとして、「利用者の視点に立つ」が有効なのではと語った。