ワタミは、サプライチェーン管理の効率化と経営戦略の迅速化を目的に、インフォアのクラウドERP「Infor CloudSuite Food & Beverage」を採用した。インフォアが発表した。
「Infor CloudSuite Food & Beverage」は、食品・飲料業界に特化したクラウドERPで、Amazon Web Services(AWS)上で展開し、サブスクリプションモデルで提供されている。グローバル企業に必須となるマルチサイト機能や、製品レシピ管理、プロセス型生産管理、倉庫管理及びトレーサビリティへの対応、品質コンプライアンスまで食品・飲料業界に必要となる機能をあらかじめ備えている。
ワタミは現在、同サービスへの移行を進める。2019年後半に本格稼働を開始し、順次各拠点や工場のシステム統合を進める予定だ。
同社は、有機農業、畜産・酪農事業の1次産業、製造・加工の2次産業、流通・販売の3次産業を一貫してグループで運営・管理する独自の6次産業モデルの確立に注力中。その中で、収益体制の強化を図る「MD(マーチャンダイジング)改革」を進めており、サプライチェーン管理(SCM)プラットフォームの再構築が課題となっていた。
同社の旧来のSCMシステムは、業務の拡大に伴いカスタマイズしてきたため、MD改革のためのビジネス戦略の変更にも柔軟に対応できていなかった。
「Infor CloudSuite Food & Beverage」について、同社では、MD改革の要件として挙げていた、海外生産拠点の管理に必要なマルチサイト機能や、精度の高い生産計画立案を支援する機能、V型BOM(部品表)などの業界特化の機能が、カスタマイズなく利用できる点を評価している。また、クラウドによる柔軟性や拡張性により絶えず変化するビジネス戦略に対応できる点も、採用の決め手となった。