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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」
展望2020年のIT企業

年商4000億円のSIerが進む道

田中克己

2018-08-20 07:00

 有力システムインテグレーター(SIer)のTISとインテックが2008年4月に経営統合をし、誕生した同グループが大きな転換期にある。純粋持ち株会社であるITホールディングを、2016年7月にTISによる事業持ち株会社へ移行するとともに、2017年5月に10年後の企業像を描いた「グループビジョン2026」を発表した。2018年4月、その土台作りの中期経営計画がスタートする。

 グループをけん引するTISの桑野徹会長兼社長は「顧客の成長を支援する戦略パートナーを目指す」とする。簡潔に言えば、顧客の中期経営計画作りの段階から参画し、新たな収益モデルやビジネスを考えたり、共同事業を展開したりすること。自らビジネスも立ち上げる。SIerからの構造転換をどう進めるのか。

規模拡大からの構造転換図るTISインテックグループ

TISの桑野徹会長兼社長
TISの桑野徹会長兼社長

 TISインテックグループ(旧ITホールディングス)は買収・合併を繰り返しながら、この10年間に売上高を3383億円から4056億円、営業利益を237億円から327億円へと拡大した。だが、前中計で目標に掲げた創造型ビジネスやマーケット開拓型ビジネスへの変革は計画通りに進まなかった。「大型プロジェクトをはじめとする従来型の受託開発案件が活況であり、人的資源に余裕がない状況にあった。そのため、マーケット開拓型への人的資源の切り替え・スキル転換、新規サービスの開発・市場投入・展開を当初考えていた時間軸で進めることができなかった」(コーポレートコミュニケーション部)。

 確かに、TIS単体の直近の人件費を見ると、労務費316億1200万円に対して、外注費が603億9100万円と倍近く、売上原価の7割弱を占める。従業員数では、グループ会社は60社弱になり、1万5000人超から約2万人へと5000人近く増えたものの、1人当たりの売り上げは2000万円程度と変わらない。生産性が向上していないということになる。

 桑野氏は「今はIT領域に偏り、個別対応が多くなっている。これでは成長も発展も難しいし、顧客企業の成長を失することになる」と語り、請負型ビジネスなどからの構造転換を改めて決意したのだろう。課題は、人に依存しないビジネスをどう創り出すかだ。そのため、グループガバナンスの強化と経営資源のスピーディな再配置を可能にするため、事業持ち株会社へ移行した。さらに、グループビジョン2026に掲げた新たな市場を創造するイノベーターになり、顧客企業の戦略パートナーへと構造転換を強力に推し進める組織体制にする。

 その第一歩として、収益向上と競争優位につながる4つの事業領域、いわば戦略ドメインを設定した。1つ目は、顧客企業の戦略パートナーとなるアカウント型ビジネスの推進(ストラテジックパートナーシップビジネス、SPB)。2つ目は、新しいITサービスの提供(ITオファリングサービス、IOS)。3つ目は、付加価値の高い業務サービスの提供(ビジネスファンクションサービス、BFS)だ。具体的には、グループ会社のアグレックスが手掛けるビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業の価値を高めること。4つ目が、自ら事業主体になって、新たな市場を創り出すこと(フロンティア市場創造ビジネス、FCB)。

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