企業システムのサーバOSとして広く利用されている「Windows Server 2008」のサポート終了に伴い、同OSユーザーのどれほどがクラウド環境へ移行するか。最新の調査結果を基に考察したい。
クラウドへの移行を計画する企業はまだ一桁台
2020年1月にサポートが終了するWindows Server 2008をめぐり、クラウド環境への移行を促進したいベンダー側に対し、ユーザー側は現時点で移行に慎重な構え――。そんな状況が見て取れるような市場調査の結果を、IDC Japanが8月21日に発表した。
調査結果の詳しい内容については既報の「2017年の国内サーバOS市場、Linuxが2桁成長を維持 ―IDC Japan」をご覧いただくとして、その中で筆者が注目したのはWindows環境についてのレポートだ。
まず、LinuxやUNIX、メインフレームなども含む国内サーバOS市場(売上額)の2017年におけるWindowsの割合は52.0%だった。金額ベースでも5割以上の存在感を示しているわけだ。
さらに今回の調査では、Windows Server 2008を使用している企業に、同OSのサポート終了に向けた現時点での計画を聞いている。
表1がその結果で、「Windows Server 2016/2012への移行を計画」が66.0%と全体の3分の2を占めた一方、「PaaS/SaaSへの移行を計画」は7.1%にとどまった。「Linux/その他サーバOSへの移行を計画」(11.5%)をはじめ、その他の現時点で移行計画がない回答もオンプレミス環境のままと見られることから、クラウド環境への移行を計画している割合はまさしく一桁台にとどまるという結果だ。
もう1つ、興味深い調査結果を紹介しておこう。ノークリサーチが8月13日に発表した、年商500億円未満の中堅・中小企業を対象としたオンプレミス環境のサーバOSシェアでは、Windowsが9割超に達した。この9割超のユーザーが今後どのように動くかも注目されるところだ。