日本IBMは8月22日、「デジタル時代の次世代アーキテクチャ」を発表した。これは、人工知能(AI)などの最新技術を活用した業界ごとのデジタル変革戦略を示したもので、銀行、保険、製造、石油・化学、小売、運輸、公共、電力・ガス、通信、ヘルスケアと、10の業界を対象にしている。
これらの戦略は、IBMが2月に実施した、世界1万2500人を超えるCxO(最高責任者)レベルの経営層へのインタビューから得られた知見をベースにしている。この調査では、経営層の72%が「業界内の革新的な既存企業が業界内の創造的破壊を主導している」と、レポートされている。
変革実現のための全体アーキテクチャ(出典:日本IBM)
同アーキテクチャは、企業が自社だけでなく外部との連携による「デジタル変革」を推進するためのロードマップを提示し、企業全体の次世代IT戦略を業界ごとにまとめている。
例えば、「銀行編」では、営業店網を中心としたフィジカルな顧客接点とビジネスプロセスを、どのようにデジタルで「再構築」していくかをまとめており、チャネル高度化、個客志向サービス、業務最適化、エコシステム連携の4つの変革を示している。
IBMでは、こうしたビジネスモデルの変革のためには、APIやマイクロサービスの活用、データサービス基盤の整備、複数のAIを管理してデータを効率よく共有できるAI連携基盤の整備といった施策が必要だとしている。