日立製作所は10月16日、小売・流通業向けのバリューチェーン最適化サービス「Hitachi Digital Solution for Retail」を11月1日に提供開始すると発表した。利用企業のデータを活用した意思決定や施策の実施を支援する。利用価格は個別見積となっている。
利用企業が保有するデータの蓄積、人工知能(AI)での分析、バリューチェーン最適化に向けた施策提案までを一括して行う。サービス基盤には「Lumada」のAIリソースを利用する。利用企業が設定したKPI(重要業績評価指標)の分析に必要な業務データ(ID-POSデータ、顧客情報、商品情報など)やIoTデータ(人、設備など)、オープンデータ(商圏、気象など)の提供を受け、同社がデータ基盤に蓄積する。その後、これらの膨大なデータをもとに、同社のデータサイエンティストがAIを使って分析し、これまで見えていなかったデータ間の新たな相関関係や、KPIを最適化する新たな施策を導き出す。
データの取り扱いについては、利用者と共同で、個人情報保護法制の遵守やプライバシー配慮のための適切な対策を講じるとしている。
サービス概要(出典:日立製作所)
第一弾として、「販促施策最適化」「出店業務効率化」「商品需要予測」を提供する。また今後は、棚割・商品構成の最適化や、倉庫業務、配送業務などに対するサービスメニューを順次拡充する。
販促施策最適化では、会員や商品、購買、ウェブのアクセスログ、キャンペーン情報などのデータを蓄積し、AIを活用してターゲット顧客群別に最適な商品リストを抽出する。出店業務効率化は、既存店の過去の実績データ(マーケット、競合度、立地、物件情報など)を蓄積し、AIを活用して最適な出店候補地と見込みの売上予測を抽出・提示。商品需要予測」では、商品の販売実績に対する時間、曜日、気温、降水量、特売有無などのデータを蓄積し、AIを活用して新商品を含めた最適な販売予測値を算出・提示する。