Microsoftは3月に、「Windows」開発グループ(WDG)を分割し、Windowsのエンジニアリング担当チームを「Microsoft Azure」のエンジニアリング担当グループに統合すると発表した。その結果として、WindowsとAzureが開発コードの命名において同じ規則を適用するようになるのは時間の問題だったようだ。
2019年4月にリリースされる予定のWindowsクライアントの開発コード名は「Windows 10 19H1」であり、Azureの命名規則にのっとっているわけではない。しかし筆者の複数の情報筋によると、19H1の次のリリース(2019年10月頃の予定)では、Azureの命名規則に合わせていくという。
Azureチームは開発コード名として元素名を採用している。19H1用として提供されるAzureの現在の開発コード名は「Titanium」(Ti:チタン)だと聞き及んでいる。しかし、Windowsクライアントの開発チームは既に社内外で「19H1」という開発コード名を使い始めていたため、Titaniumというコード名の採用を見送ったという。
しかし実際のところ、「19H2」と呼ばれることになる(と一部の人が考えていた)Windows 10の機能アップデートは、筆者の複数の情報筋によると、Azureの命名規則に従った「Vanadium」(V:バナジウム)という開発コード名で呼ばれているとのことだ。開発チームが元素の周期表の順序にこだわるのであれば、2020年に入ってからリリースされるWindowsの機能アップデートは「Chromium」(Cr:クロム)となるはずだ。とはいえ、Googleがこの名称を使用している点を考えると、ちょっとした混乱を巻き起こすのは明らかだ。このため、筆者が聞き及んだところでは、該当アップデートにはおそらく「Vibranium」(ヴィブラニウム)という架空の元素名が採用されそうだという(Vibraniumはキャプテンアメリカの盾に使われている元素だと聞いている)。
筆者がWindowsの次期機能アップデートにおけるVanadiumとVibraniumという開発コード名についてMicrosoftに確認を求めたところ、何もコメントすることはないという答えが返ってきた。
これまでのWindows 10機能アップデートのコードネームを振り返ってみると以下の通りだ。
- Threshold 1:Windows 10/1507
- Threshold 2:Windows 10 November Update/1511
- Redstone 1:Windows 10 Anniversary Update/1607
- Redstone 2:Windows 10 Creators Update/1703
- Redstone 3:Windows 10 Fall Creators Update/1709
- Redstone 4:Windows 10 April 2018 Update/1803
- Redstone 5:Windows 10 October 2018 Update/1809
- 19H1:Windows 10 April 2019 Update/1903(?)
ちなみに「Threshold」という開発コード名は、2001年にリリースされたゲーム「Halo」の第一弾において最初のヘイローリングが周回する惑星の名前に由来している。また、「Redstone」という開発コード名は、MicrosoftがMojangの買収によって入手したゲーム「Minecraft」に由来している。
The Walking CatがTwitterで指摘してくれたところによると、Surfaceチームも一部の開発コード名に元素の名前を用いているとのことだ。最新のSurfaceデバイスの開発コード名には「Caprock」や「Croton」「Forks」などがあり、これらはそれぞれCa(カルシウム)とCr(クロム)、F(フッ素)に対応していると指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。