9月にLinux開発者コミュニティでの過去の振る舞いについて謝罪したLinus Torvalds氏は、10月にLinuxコミュニティに復帰した。そして今や11月になり、Linuxカーネル4.20の最初のリリース候補版が公開された。そろそろ、Torvalds氏のその後の振る舞いや、議論の的になったLinuxの行動規範(CoC)について振り返ってみてもよい時期だろう。
結論としては、Torvalds氏の態度は以前よりも紳士的になった。
その結果何が起こっただろうか?筆者はLinuxカーネルメーリングリスト(LKML)のアーカイブを一通り調べてみたが、Torvalds氏の悪評の原因となっていた暴言はほとんど見られなかった。
Linuxに関するニュースサイト「Phoronix」の創設者兼メイン記者のMichael Larabel氏は、さらに徹底した検証を行っている。同氏は、不適切なLinuxのコーディングに対するTorvalds氏の反応を2018年と2017年で比較し、その違いを示した。
2018年には、ある開発者が、カーネルでゲーム用デバイスのドライバをデフォルトで有効にしようとしたことがあった。このとき、Torvalds氏は次のように返答している。
われわれは、新しいドライバを行き当たりばったりにデフォルトで有効にすることは*しない*。またそのドライバが、ほとんどの人が聞いたことがないような無名のドライバの場合、そんなことは*絶対にしない*。
今回のマージウィンドウで追加された「BigBen Interactive」の新しいドライバは、まさにそれに当てはまる。
このようなことはやらないで欲しい。
2017年には、別の開発者が、Dellの「SMBIOS」ドライバで同様の大失敗を犯している。その際、Torvalds氏は次のように激しく責め立てている。
開発者として、「自分の」ドライバや機能は何より大事だと思っているのかもしれないし、自分はそのハードウェアを持っているのかもしれない。
よく読んで後悔するといい。そのハードウェアが完全に普遍的なものでない限り、他の全員の設定でデフォルトに設定することをデフォルトにするようなバカは許されない。
表現に違いがあるのが分かるだろか。筆者には分かったし、受け取った側の開発者にもこの違いは分かっただろう。