2018年にグローバル事業の大掛かりな再編に着手したNTTグループ。来る2019年はその進ちょくもさることながら、本丸である国内事業に対してどうテコ入れしていくのか。
2018年はグローバル事業の強化に向けてグループ再編
NTT東日本がデジタル変革を進めたい企業からの問い合わせを受け付ける専用電話番号「法人版116」(番号は未定)を2019年1月に新設――。12月24日付けの日刊工業新聞でこんな記事が掲載された。
それによると、他社製品を含むITシステムの故障に一元対応する保守支援も本格展開する。特に中小企業や地方自治体のデジタル革命を支える“よろず相談役”を担うことで、固定電話の契約減に伴う減収分を補う、としている。
この動きも、NTTグループの今後の事業再編につながっているのではないか――。今回の本コラムはこの直感に基づいて、同グループにまつわる筆者なりの注目点を挙げてみたい。
まずは、2018年の動きを少し振り返っておこう。NTTがグローバル事業の強化に向けてグループ内の組織再編を実施すると発表したのは8月7日のことだ。
今秋には、NTT持ち株会社傘下に新たにグローバル持ち株会社を設立し、その傘下に、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTデータ、南アフリカのDimension Data、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute(NTTi3)の5社を移管した。グローバル持ち株会社(社名:NTT)の社長は、NTT持ち株会社の澤田純社長が兼任する形となった。
これにより、NTT持ち株会社ではグローバル持ち株会社を通じてグローバルガバナンスを強化し、グローバル市場に精通した人材の知見や経験を迅速に同社のマネジメントに取り入れ、NTTグループ全体のグローバル市場における競争力強化と収益性の向上を目指す構えだ。
これらの動きは、本コラムの8月9日掲載「NTTグループ再編で気になるクラウド事業の行方」、9月12日掲載「NTT Com社長は“NTTグループ再編”について何を語ったか」で取り上げているので参照いただきたい。

NTTの澤田純社長(2018年5月17日の記者会見にて撮影)