Microsoftは米国時間2月26日、「Windows Server IoT 2019」のリリースを発表した。
Windows Server IoT 2019は「Windows Server 2019」との「バイナリ互換性」を有した製品であり、「Windows Server」環境での開発に慣れ親しんでいる開発者への支援を念頭に置いて設計されている。
Windows Server 2019のIoT向け版とも言うべきこの新OSは、小売りやヘルスケア、製造といった業界の製品を開発する企業やOEM企業に向けた製品となっている。同OSでは、5年間のメインストリームサポートと5年間の延長サポートが設定されており、より長期のWindowsサポートを必要とする機器に適したライセンスモデルが採用されている。
Windows Server IoT 2019によって、サーバクラスのデバイスで大規模なエッジのワークロードをセキュアに処理できるようになる。MicrosoftはWindows Server 2019の使用に関して、膨大な数のセンサからのデータをほぼリアルタイムでAzureに反映して、分析したりやインサイトを得たりするようなハイエンドのゲートウェイやネットワーク接続ビデオレコーダーを構築する企業を想定している。
またMicrosoftは、「Windows 10 IoT」の新機能について、開発者の作業を容易にするものだとして、Windows IoT向けの「Robot Operating System」などに関して説明している。同社は2018年に、「Robot Operating System [ROS1] for Windows」の試験リリースを発表した。このOSを利用することで開発者は、「Visual Studio」や、AzureのAIやIoTサービスをロボットアプリケーションの開発に利用できるようにするとされていた。
この2018年の発表時まで、同社は産業用ロボットに対するアプローチについて多くを語っていなかった。しかし現在では、産業用ロボットはオンライン通販商品の配送倉庫などで稼働し、製造や運輸、ヘルスケアといった分野でも不可欠なものとなりつつある。
Microsoftは今回、開発者はWindowsに「商用レベルの」ロボット向けプラットフォーム(ROS)アプリを配備できるようになり、ネットワークのエッジに展開されている機器に、「Azure Cognitive Services」などを利用するよりスマートな機能を搭載できるようになっていると述べている。
また同社は、オランダのチップメーカーであるNXP Semiconductorsの「i.MX 8M」および「i.MX 8M Mini」プロセッサ上で稼働する、Azureサービスをバンドルした「Windows 10 IoT Core」のパブリックプレビューを発表し、Microsoftのクラウドに関してLinuxユーザーにも選択肢を提供している。
Microsoftは「アプリケーションプロセッサのi.MX 8Mファミリによって、インテリジェントエッジ向けの電力消費を最適化したセキュアな機器が実現できるようになるとともに、開発者はLinuxか『Windows IoT』かという選択肢を手にすることになる」と述べた。
「Windows 10 IoT Enterprise」は、Qualcommの「Snapdragon」による「always-on, always-connected」(常時待機/常時接続)型のIoT機器に対するサポートも可能にする。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。