最近ではマルチクラウド環境が当たり前のことになりつつある。これは、2019年にはクラウドの経費と管理の最適化が重要なテーマになることを意味している。しかしクラウド管理プラットフォーム市場はまだ未成熟で、クラウド経費をコントロールするには、複数のベンダーを詳しく調べて検討する必要がある。
最近発表された調査によれば、クラウド経費が驚くほど高くなるケースが出てきているようだ。Rackspaceの最高経営責任者(CEO)Joe Eazor氏はあるインタビューで、「多くの人が、サービスの利用を拡大していくにつれて、クラウド経費が想定していたほど安くはないことにやや驚いている」と述べている。
クラウド経費に関する懸念が大きくなっていることに不思議はない。このところ、エンタープライズ企業はストレージとコンピューティングを盛んにクラウドへ移行している。顧客はこれまで、「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」の競争からメリットを得てきたが、 これからはより上位の製品を売り込もうとする攻勢が始まろうとしている。IDCは、世界的なパブリッククラウドサービスやインフラに対する支出額は2019年に2100億ドルに達すると予想しているが、これは2018年よりも23.8%大きな数字だ。さらに2022年には、パブリッククラウドサービスに対する支出は3700億ドルに達するという。またIDCは、SaaSに対する支出がその半分を占め、2番目に多いのはIaaSになるとしている。
また成熟したクラウド顧客は、人工知能(AI)や機械学習などをはじめとして、多くの新しいサービスを利用している。クラウドを利用している顧客は従来よりも機動的な対応ができるようになったが、インフラ経費は必ずしも大きく下がっているわけではない。これにサービスとしてのソフトウェア(SaaS)の経費や、絶えずリリースされているアドオンなどが加わると、クラウド経費はあっと言う間に膨れあがる。
Flexeraの子会社となったRightScaleは最近、「State of the Cloud」と題したレポートを発表し、大企業ではクラウド経費の最適化が優先順位の高い課題になっていることを明らかにした。マルチクラウド環境の導入が加速していることも最近明らかになっている。
RightScaleの調査で明らかになったのは、多くの回答者の所属企業は、基本的な経費の最適化も行っていないということだ。コンテナの利用には複雑さが伴うこともあって、油断をすると経費はすぐに上昇してしまう。