調査

AWSとMicrosoft Azureの利用などマルチクラウド導入進む--Kentik調査

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-01-29 13:01

 ネットワークアナリティクス企業Kentikは米国時間1月24日、「Amazon Web Services」(AWS)の採用率やマルチクラウドのトレンドなどを調査した結果をまとめた「AWS Cloud Adoption, Visibility & Management」(AWSクラウドの採用、見通し、管理)レポートを公開した。同レポートによると、AWSと「Microsoft Azure」は激しい競争を繰り広げているが、企業はマルチクラウド環境で双方の製品を採用しているという。

 Kentikのこの調査は、2018年11月に開催されたAWSの「re:Invent」において310人のテクニカルエグゼクティブやビジネスエグゼクティブを対象に実施した。その結果で注目に値する点を以下に紹介する。

  • マルチクラウドの配備はハイブリッドクラウドの展開と同じか、それよりも早いペースで進んでいる。
  • マルチクラウドの組み合わせとして最も一般的なのはAWSとAzureだが、「Google Cloud Platform」(GCP)を利用している顧客もいる。Kentikの調査によると、AWSのユーザーカンファレンスで調査されたため意外なことではないが、回答者の97%が自社でAWSを利用しているとしている。一方、35%はAzureも積極的に利用していると答えている。また、24%はAWSとGCPを両方利用していると回答している。
  • 最大の課題は、クラウドのコスト管理である。クラウドにおける最大の課題としてコスト管理を挙げた回答者の割合は30%近くに及んでいる。また、一部の企業(回答者の10%)は現在でもAWSのコストを表計算ソフトで管理している。
Kentik
提供:Kentik

 IBMといった企業が、自社のデータセンターを利用している企業だけでなく、マルチクラウドサービスを手がけるプロバイダーを利用している企業もターゲットとしている中、Kentikのマルチクラウドに関する調査結果は注目に値する。

 IBMは22日、Red Hatの買収完了に向けた計画について語っている。2019年後半に完了するとされているこの買収は、オープンかつマルチクラウドなハイブリッド環境に関するものとなっている。

 IBMの最高財務責任者(CFO)James Kavanaugh氏は、2018会計年度第4四半期決算報告の電話会議の場で以下のように述べた。

 VodafoneやBNP Paribasといった企業は、IBMが持つハイブリッド型のマルチクラウド能力のメリットを享受でき、かつ最先端のテクノロジを利用できる「IBM Cloud」を活用している。

 オープンかつ、ハイブリッド型のマルチクラウドによるアプローチは、ますます勢いを増している。

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