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松岡功の「今週の明言」

富士通次期社長が語る「グローバルでどう存在感を示すか」

松岡功

2019-03-29 10:43

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、富士通の時田隆仁 執行役員副社長・次期代表取締役社長と、ソースネクストの松田憲幸 代表取締役社長の発言を紹介する。

「国内で培ったビジネスモデル変革のノウハウをグローバルで展開していきたい」
(富士通 時田隆仁 執行役員副社長・次期代表取締役社長)

富士通の時田隆仁 執行役員副社長・次期代表取締役社長
富士通の時田隆仁 執行役員副社長・次期代表取締役社長

 富士通が3月28日、社長交代をはじめとする経営幹部の人事を内定したと発表した。執行役員常務だった時田氏が同日付けで執行役員副社長に就き、6月24日の株主総会を経て代表取締役社長に就任する。田中達也社長は同日付けで取締役会長に就く。時田氏の冒頭の発言はその発表会見で、「富士通はグローバルでの存在感をどう高めていくのか」と聞いた筆者の質問に答えたものである。

 時田氏は1962年9月生まれの56歳。東京工業大学を卒業後、1988年に富士通に入社し、SE(システムエンジニア)として金融分野に長年携わり、メガバンクの大型プロジェクトも率いてきた。2015年に執行役員 金融システム事業本部長に就任。さらに2017年からはグローバルデリバリーグループのマネジメントに携わり、2019年1月に執行役員常務として同グループ長に就いた。こうして見ると「SE」「金融」「グローバル」と、富士通の要所に携わってきた印象だ。

 自己紹介では、「私は入社してこれまで一貫してお客さまに近い現場で働いてきた。その間、技術の変遷やお客さまニーズの多様化、さまざまな競合との戦いなどを経験して今に至っている。そうした経験によって培った私の持つ全てを、富士通の成長戦略の推進に注ぎたい」と力を込めた。非常に強い自信を感じさせるコメントである。

 会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは時田氏の冒頭の発言に注目したい。筆者が富士通のグローバルでの存在感について聞いたのは、市場が大きく変化している中で、同社の影が薄くなってきていると感じているからだ。これに対し、時田氏は次のように答えた。

 「当社のグローバルでのビジネスは、これまでハードウェアを中心としたプロダクトに比重を置いてきた。しかし、この領域はコスト競争が激しく苦戦している。ではどうすればよいか。これからのデジタル活用で最も必要なのは、デジタルによって業種それぞれのビジネスモデルをどう変革していくか、というノウハウだ」

 さらに、こう続けた。

 「実は、そうしたビジネスモデル変革のノウハウに基づくサービスを、日本ではお客さまの近くにいるSEが中心になって提供してきたと、私は考えている。それをグローバルでも展開できる仕組みをつくっていきたい。その仕組みが機能するようになれば、デジタルによるビジネスモデル変革の支援において、グローバルで確固たる存在感を示せるようになると確信している」

 これが、時田氏が描く「デジタル時代に向けたグローバルカンパニー富士通の新しい姿」である。SE出身らしい発想だが、「相当な努力が必要」なことも承知の上だ。富士通らしい方向性ではないか。同氏の経営手腕に注目しておきたい。

会見に臨む田中達也社長(左)と時田氏
会見に臨む田中達也社長(左)と時田氏

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