NECは6月12日、Amazon Web Services(AWS)上で運用可能なクラウド向けモバイルコアソリューションを開発し、2019年度中に提供を開始すると発表した。同社ではオフィス内ネットワークやIoTなどのモバイルネットワーク向けに提供し、2021年度末までに関連ビジネスを含め100憶円の売り上げを目指す。
このソリューションは、通信事業者のネットワークで求められる高信頼・高品質と、クラウドにおける柔軟性・迅速性・効率性を両立するモバイルネットワークを、産業システム領域で利用できるようにするもの。
工場IoTなど、産業における無線ネットワークの活用が拡大する中、次世代のネットワークである第5世代移動通信システム(5G)を産業システムで利用することが検討されている。しかし一方で、企業のネットワーク構築にかかるコストや拡張性が課題となっており、同ソリューションはそうした課題を解決するものとして開発された。NECでは、同ソリューションを5GC(5G Core Network)においてもAWS上に実装することを計画している。

AWSを活用した法人向けネットワーク(出典:NEC)
同ソリューションでは、コアネットワークの制御信号を処理する機能をクラウド上に集約し、ユーザーデータを処理する機能を持つ装置を企業側へ配備して、企業ごとの専用モバイルネットワークを構築できるようにする。制御信号を処理する機能をクラウド上に集約することで、企業のネットワークの設計・設定・監視・運用をマネージドサービスとしても提供可能になる。
また、企業向けのネットワークとしてモバイルを活用することで、有線敷設の負担を解消し、臨時のネットワーク敷設にも迅速な対応が可能となる。さらに企業の専用モバイルネットワークから公衆ネットワークへシームレスな接続が可能となり、時間や場所の制約に縛られない環境が実現する。