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海外コメンタリー

ランサムウェアのカモにされる米自治体--被害は続く?

Danny Palmer (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-08-07 06:30

 ランサムウェアは一度は減少し始めたとみられていたが、今や新たな形で、悪質さを増して復活しつつある。犯罪グループがランサムウェアの「格好のカモ」を見つけたためだ。

 以前はランサムウェアの標的は個人のPCだったが、中小企業やその他の組織のネットワーク全体を暗号化して人質に取ることで、数万ドル単位の身代金を取れることに気づいた悪者たちは、組織も対象にするようになった。

 2017年には、あるインシデントが起こったことで、ランサムウェアに対する評価が大きく変わった。「WannaCry」の大流行だ。米国家安全保障局(NSA)から漏えいしたハッキングツールを組み込んだことで、ワームに似た機能を備えていたWannaCryは、あっという間に世界中に広まった。方々の組織がこのマルウェアの被害に遭い、英国の国民保険サービス(NHS)の一部までもが感染した。

 この攻撃は北朝鮮が実施したと言われており、攻撃の発生から約1カ月が経過した時点で支払われた身代金はビットコインにして約13万ドル相当と少なかったものの、その被害の大きさは、ランサムウェアが企業や重要インフラに深刻なダメージを与える可能性があることを印象づけた。

 一部のサイバー犯罪グループはランサムウェアを使うのをやめ、クリプトジャッキングやトロイの木馬などのほかの攻撃手段に移ったが、ファイルをロックするキャンペーンに特化したグループは、高度に標的を絞った、はるかに効果的な攻撃を開発して攻撃を続けている。

 最近の攻撃では、インターネットからアクセス可能なリモートデスクトッププロトコル(RDP)のポートや、デフォルトの認証情報、組織内での「横展開」を利用して侵入したあと、時間をかけて密かにネットワーク全体に対するアクセスを掌握して初めて、攻撃を開始し、ランサムウェアのペイロードを投入することが多い。

 一部の大企業(例えばNorsk Hydro)もこの種の被害に遭っているが、近頃は地方自治体がこの種のランサムウェア攻撃を受けることが増えており、特に米国の都市が狙われている。

 最近では、攻撃を受けた多くの自治体が、攻撃者に数十万ドルの身代金を支払っている。6月には、フロリダ州のリビエラビーチ市(人口3万5000人)が、ランサムウェアの攻撃でデータとサービスを人質に取られ、ハッカーに60万ドル(約6440万円)相当のビットコインを支払った。それから間もなく、フロリダ州のレイクシティ(人口1万2000人)も、ランサムウェアに市のほぼすべてのITサービスやシステムを乗っ取られ、50万ドル(約5400万円)の身代金を支払っている

 フロリダの2つの自治体が攻撃される数カ月前には、ジョージア州のジャクソン郡(人口7万人)もランサムウェアの攻撃に見舞われ、ITシステムへのアクセスを取り戻すために40万ドル(約4300万円)を支払ったと報じられた。

 FireEyeのインテリジェンス分析担当マネージャーKimberly Goody氏は、「自治体が金銭を支払うのは、それがもっとも早く業務を再開できる手段だからだ。重要なサービスに影響を及ぼしたインシデントの例を見れば分かるとおり、それらの攻撃は極めて破壊的で、間違いなく自治体の住民にも影響が感じられるものだ。おそらくそのことが、自治体が身代金を支払う判断をした要因になっている」と述べている。

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