独SAPは現地時間2月20日、主要な組織の改編を発表した。同社のコミュニケーションチャネルや製品戦略をシンプルで明確なものにするとともに、製品ポートフォリオを横断する統合計画を強化する狙いがある。より一層顧客を中心とした運用やプロセスを実現するとしている。
Bill McDermott氏が10月に最高経営責任者(CEO)を退任した後、Jennifer Morgan氏とChristian Klein氏が共同CEOを務めている。SAPは、部門間の機能連携を強化する新たな組織モデルを採用することになる。
具体的には6つの主な製品分野が設けられる。「SAP Customer Experience」「SAP S/4HANA」「SAP SuccessFactors」「Intelligent Spend」(SAP AribaとSAP Fieldglass、SAP Concurが含まれる)「SAP HANA & Analytics」「Qualtrics」だ。同社によると、「SAP Cloud Platform」はこれらの分野すべてで基盤テクノロジープラットフォームとして機能するという。
営業やサービス、カスタマーサクセスに携わる組織は、「Customer Success」(カスタマーサクセス)というかたちでまとめられ、Adaire Fox-Martin氏の管轄となる。また、製品の管理や開発、サポートも1つにまとめられ、Thomas Saueressig氏の管轄となる。SAPのプラットフォームおよびテクノロジー開発全般に関してはJuergen Mueller氏が責任者となる。
この新たな組織構造は、製品ポートフォリオを顧客により分かりやすく、統一感を持ったかたちで提示するうえで一役買うことになるだろう。顧客が数多くの製品の価格と価値の関係を理解したり、買収した企業やテクノロジーを中核製品にどのように反映させていくのかという点を示す上で有用かもしれない。
共同CEOのKlein氏は「われわれの顧客は、SAPのサービスのポートフォリオがシームレスに統合されており、あらゆるソリューションがスムーズに連携するという当然の期待を抱いている。SAPの成功は、顧客が将来直面する課題を解決できるというわれわれの力量や能力への顧客の信頼にかかっている」と述べた。
SAPはまた、取締役員であるStefan Ries氏とMichael Kleinemeier氏の退社も発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。