米ZDNet編集長Larryの独り言

新型コロナで注目、リモートワーク運用で悩む管理者のための8つのヒント

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-03-16 06:30

 世界中の管理職が、新型コロナウイルスをきっかけに始まったリモート勤務の従業員を管理しようとして壁にぶつかっている。これらの管理職は、今後もさまざまな産みの苦しみを経験する可能性が高い。

 しかし、どんな危機にも言えることだが、ピンチは物事を変えるチャンスでもある。新型コロナウイルスは、すでにオフィスで起こりつつあったことを加速しただけだと言えるかもしれない。

 米ZDNetには、20年近く前からリモートワークを行うチームがある。私たちのチームは、米国のほかロンドンとシドニーをハブとして世界中に広がっており、世界中に寄稿者がいる。また、米国でも全国に記者が分散している。私たちのチームでは、寄稿者も編集者も多様だ。最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を最小限にとどめるために、多くの企業が従業員に在宅勤務を命じているが、米ZDNetは、多くの読者がさほど遠くない未来に経験するであろう働き方のモデルで運営されていると言える。

 米ZDNetは本記事で、リモート勤務の部下を管理しなければならなくなった管理職向けのヒントを紹介する。

1.KPI(成果指標)を定量化して監視する

 米ZDNetの業務は、締め切りと成果物を中心として動いているという点で恵まれている。なぜなら、誰かが仕事をできない状況にある場合や、仕事の質が基準に達していない場合には、それが比較的明確に分かるためだ。リモートワークのチームを管理するためには、成果物と、パフォーマンスの指標に注意を払う必要がある。業務が定量化されていなければ、リモートで目標を達成することは難しい。指標があれば、リモート勤務のチームは管理職に自由を与えてくれる(詳しくは後で述べる)。

2.マイクロマネジメントを避ける

 働き手が離れた場所で働いている場合、マイクロマネジメントは諦めざるを得ない。そもそも単純な問題として、部下の行動を監視するのは不可能だ。それは管理職と働き手の両方にとってよいことなのだが、多くの上司は、最初はそのようには考えられない。もし読者が、部下の動向を常に把握していなければ気が済まないタイプなら、あっと言う間につまずくだろう。リモートワークは部下を信頼し、責任を持って仕事を片付けさせるようにしなければ成立しない。管理職の仕事は、部下がミッションを完遂できるように、環境を整えることだ。

 では、マイクロマネジメントしなければ気が済まない上司はどうすればよいのだろうか。最初にやるべきことは、自分が重視する評価指標は何かを考え、なぜそれらの指標が重要なのかを知ることだ。ここでいう指標とは、Slackでオンラインになっている時間や、キーストロークの数ではなく、ビジネスに本当に影響を与える指標(生産性、収益、コラボレーションなど)のことだ。今回の事態で急きょ在宅勤務に切り替えることは、物事を一変させ、本当は何が重要なのかを見つめる機会につながる可能性がある。従業員が成果を挙げ、目標を達成している限りは、いつ、どこで、どうやって仕事を片付けているかを気にすべきではない。

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