Microsoftは、米国時間5月27日に一般向けリリースを開始してから初めて、「Windows Update」を通じて「Windows 10 May 2020 Update」(バージョン2004)を自動配信する対象端末を増やしていると発表した。
Windows 10 2004のリリースは驚くほどもたついているが、状況はまもなく変わりそうだ。6月9日の月例パッチの後、MicrosoftはWindowsリリース正常性ダッシュボードで、自動の機能アップデートを加速すると発表した。
Dell、Lenovo、HPといった一般的なWindows 10搭載PCブランドと、Microsoftの「Surface」端末の所有者で、Windows 10 2004にアップデートする準備が整っていないというメッセージが表示されるユーザーは少なくなるはずだ。
「現在、Windows 10 2004の提供を受ける端末の数を増やしている」(Microsoft)
Windows 10 2004へは、Windows 10の「バージョン1903」と「バージョン1909」を搭載するPCからアップデートできるが、大半のユーザーはまだ、Windows Updateで「更新の確認」をクリックして、手作業でアップデートする必要がある。
Microsoftは9日、Always OnやAlways Connected対応ネットワークアダプターを複数搭載した一部のSurface端末でWindows 10 2004へのアップデートを中止するよう警告が出る問題を修正した。
米ZDNetのMary Jo Foley記者によると、この修正アップデートをインストールしても、全てのSurfaceユーザーがすぐに機能アップデートを入手できるとは限らないという。
「Always On、Always Connected」の問題は「Mitigated(緩和策あり)」とされているが、Windows 10 2004へのアップデートによって影響を受けるドライバーやファームウェアを搭載するWindows端末については、アップデートを配信しないようにする措置を今もとっているという。
MicrosoftがWindows 10 2004の提供をどの程度まで拡大するつもりなのかという疑問はまだ残る。MicrosoftのWindows Updateチームによると、機能アップデートはWindows Updateを通じてゆっくりと提供しているだけだという。
Windows Updateチームは9日、Twitterで次のように述べた。「まだアップデートが受けられないのは、対象をゆっくりと広げているためかもしれないし、アップデート体験を守るために互換性ホールド(アップデートを配信しないようにする措置)が適用されているからかもしれない」
Microsoftは今も、NVIDIAおよびIntelのドライバーやRealtek Semiconductorのアダプターとの非互換性問題により、端末に対するWindows 10 2004互換性ホールドを10件ほど解除せずに残している。
Lenovoは、Windows 10 2004へアップグレードする際に「ThinkPad」デバイスで生じる「死のブルースクリーン」(BSOD)など、いくつかの問題をリストアップしている。
Dellは、「Alienware」「Inspiron」「XPS」「Vostro」「Latitude」「Optiplex」など、デスクトップPCおよびノートPCの全ブランドでWindows 10 2004をテストしたと述べている。
Windows 10の「バージョン1809」で生じたデータ消失問題以来、Microsoftは機能アップデートを以前よりもゆっくりと慎重にリリースする方向に転じたが、Windows 10 2004の提供でもその姿勢は変わらない。Windows 10の「バージョン1803」をリリースしたときには、史上最速のペースでインストールされたWindows 10だと強調し、企業への導入準備が整ったと宣言した。
一般リリース前に「Windows Insider」プログラムで半年におよぶテストを実施したにもかかわらず、Windows 10 2004が自社のSurfaceでも問題に直面した理由をMicrosoftはまだ説明していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。