Salesforceは米国時間6月25日、「Salesforce Anywhere」を発表した。顧客はこの製品により、チャットやアラート、コメント、動画をSalesforceのエクスペリエンスに統合したかたちで利用できるようになる。
Anywhereについては、同日に開催されたSalesforceの開発者向け年次カンファレンス「TrailheaDX」のバーチャルイベントで詳細が発表された。
同製品は7月に、デスクトップアプリと「iOS」アプリがパブリックベータ版として提供される予定だ。このベータ版は、Salesforceの製品をデスクトップやモバイルで利用している顧客であれば無償で使用できる。一般提供時の価格は未定だが、製品の一部はアドオンとして提供される見込みだ。
SalesforceによるとAnywhereには、Salesforce内のコラボレーションを再発見するという目的のもと、「Quip」アプリを通じて得た知見が取り込まれているという。またAnywhereは、今のところは別製品となっている「Chatter」をある程度統合している。Salesforceは他の多くの企業と同様に、コラボレーションのストリームがしばしば、さまざまなアプリやサイロ内に散在しているという状況に直面している。Anywhereが目指しているのは、ユーザーが会話やアイデア、スレッドを、別のウィンドウを開くことなく扱えるようにすることだ。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってリモートワークが増加するなか、このコンセプトの重要性は高まってきている。
同社でPlatform, Trailhead&Developers担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるSarah Franklin氏によるとAnywhereは、新型コロナウイルスのパンデミックが続くなかでオフィスの再開に取り組んでいる企業の成長を支援するものだという。Anywhereは3つのサービスの第3弾であり、「Salesforce Care」「Work.com」に続く製品だと同氏は述べた。
Salesforceのプラットフォームを通じて「Salesforce Einstein」や「Salesforce Customer 360」が実行できるのと同様に、AnywhereからSalesforceのさまざまなコラボレーションツールが利用できる。例えば、営業担当者がAnywhere経由でSalesforce内の取引状況を変更すると、メッセージスレッドを拡散させなくともその変更がチームのワークフローに反映されるようになる。またSalesforceはエンドポイント管理のTaniumと提携し、複数のチャネルをまたがったインシデントチケットの発行や優先順位付けでIT部門を支援していく計画だ。
Anywhereの中核機能には以下のものが含まれている。
- アカウントやレコード、機会、フィールドに対する変更や更新に関するリアルタイムのアラートを、モバイル機器やデスクトップ機器に通知するよう登録する機能。いったん変更や更新が発生すると、関係者全員のアカウントに通知が送達される。
- Salesforce内の同一ページを参照しているチームメンバー間で、インスタントメッセージやビデオでチャットや開始する機能。ユーザーはどのチームメンバーが同一ページで作業しているのかを判断できる上、メンバーが他の作業に取り組んでいることも把握できるため、画面を共有することなく即座に該当案件に関するやり取りを始められる。
- 議論が必要だと考えられるレコードにインライン形式でのコメントを追加し、Einsteinによって提供される、パーソナライズされたアクションの提示を得ることで、迅速な行動につなげられるようにする機能。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。