ガートナー ジャパンは、「日本における未来志向型インフラテクノロジーのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。同ハイプ・サイクルでは、インフラストラクチャーのテクノロジーのうち特に未来志向型と捉えられるものや、トレンドとなっている注目すべき重要なキーワードを取り上げている。
日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年
ガートナーのハイプ・サイクルは、テクノロジーやサービス、関連する概念、手法などの認知度、成熟度や採用状況、および各キーワードが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを視覚的に示したもの。
今回発表されたハイプ・サイクルの特徴は、5G(第5世代移動体通信システム)が「過度な期待」のピーク期に位置している。
ガートナーによれば、COVID-19のパンデミックを受け5Gの標準化や開発関連の動向にも影響が及び、検証などが遅れているケースが見られるが、5Gを介したリモートからの各種作業の支援などに対する期待が膨らんでおり、移動体通信事業者やサービス設備を提供するベンダーが既にさまざまな検証を実施しているという。5Gには、携帯電話やスマートフォンに向けた単なる通信サービスではなく、自動車や工場、店舗、家電製品など多様なモノのデジタル化をスコープに入れたテクノロジーとして開発されている背景があるため、IoTやAI(人工知能)の導入を加速させ、デジタル化を大きく促進する可能性も秘めているとしている。
また、COVID-19の拡大に伴い、「ロボティックプロセスオートメーション(RPA)」と「デジタル・ヘルス」の普及が進むとしている。ガートナーは、ヘルスケア業界におけるデジタル化のトレンドを「デジタル・ヘルス」と総称している。
COVID-19の影響を受けた業務コスト削減やリモートワーク実現のための施策として、RPAによる業務自動化をいっそう加速させる動きが見られるため、適用領域は予想以上のスピードで拡大する可能性があるという。適用領域は予想以上のスピードで拡大する可能性があり、市場のRPAに対する現実的な理解が深まったことで、同テクノロジ- は幻滅期の底を打って本格的な普及を目指し始めているとしている。
2020年には、COVID-19の拡大に伴い、多くの医療機関がオンライン診療を開始され、多数の自治体において、COVID-19に関する質問に自動で回答するチャットボットの導入が進んだ。ガートナーではデジタル・ヘルスはさまざまな分野で改めて注目を集めており、2020年から2021年にかけ、COVID-19対策として、また新たな投資対象として大きなテーマになるとしている。