AccessはインストールしているPCでしか操作できないのがネックだった。新型コロナウイルスの影響で、ママリフォームでもテレワークが導入されているが、これでは仕事にならない。
さらに、受注するとAccessとExcel、そして施工管理アプリの「ANDPAD」すべてに顧客の名前や住所などの情報を重複して入力しなければならなかった。明らかな無駄手間なうえ、入力ミスが起きる可能性もあるため、パートたちからなんとかならないか、という声が上がっていたという。
さらに、FAXも利用しており、協力業者から届いた見積りなどを紙でファイリングし、保管していた。案件が増えれば、紙の量も多くなり、いつ使うかも分からない資料が棚を埋めているという課題もあった。
そこで、その人から紹介されたのがkintoneだった。
家づくり代理人 代表取締役 神田雅弘氏
提供:神田雅弘氏
早速、神田雅弘氏はkintoneのことを調べ、サイボウズで開催されている「導入相談カフェ」に行き、詳しい話を聞いた。そこで、良さそうだと感じ、今度は神田奈緒美氏とパートたちも連れてもう1度話を聞きに行った。
「そうしたら、みんなkintoneは良さそうだと言うのです。意外と簡単そうで、状況に合わせられそうだと感じました。それで導入の相談をしたのですが、結局、超大手の開発会社を紹介されて、パックで作って何十万円というプランを紹介され、あれ、なんか違うなと感じました。大手にうちの話をして伝わるのかな、と思ったのです」(神田雅弘氏)
そこで、5年ほど前にリフォーム屋の経営者が集るイベントで知り合った矢内哲氏のFacebook投稿で、「kintone」の文字を見つけた。矢内氏もkintoneのことを知っているのかな、と考え、とりあえず相談を持ちかけたそう。
実は、矢内氏はkintoneのユーザー企業が事例を発表するイベント「kintone AWARD 2018」でグランプリを獲得しているkintoneユーザーだ。kintoneを活用して新規事業としてリフォーム事業を立ち上げている。サイボウズ公認kintoneエバンジェリストでもあり、現在はkintoneの導入支援も手がけている。
「やっぱりkintoneを導入するなら詳しい人に相談した方がいい、ということで今年の2月に矢内さんに相談しました。新型コロナウィルスが広まっていたので、Zoomでビデオ会議しました。そこで、矢内さんのリフォーム事業でkintoneを活用した事例を教えてもらったのです。4年がかりで到達したというゴールを見て、同じ業界の我々なら、もっと短期間で済むかもしれないと考えて、お手伝いをお願いしました」(神田雅弘氏)
kintone導入で業務効率が大幅に改善
以前使っていたExcelやAccessのシステムも、開発するときは、要望を伝えて開発してもらうという流れだったという。しかし、矢内氏はママリフォームの人たちと一緒にkintoneアプリを作り上げていくという手法を採った。
3月にZoomで打ち合わせを行い、4月にアプリを製作し、5月にkintoneを正式導入した。ゴールデンウィーク明けにはすでに案件管理アプリが完成していたそうだ。
「意外だったのは、一緒に会話しながら作っていったことです。Zoomで全員の意見を聞いてくれて、修正して、しばらく使ってみてまた会議を行いました。自分たちで作っている感じが、kintone流なのかなと思いました」(神田雅弘氏)