The Linux Foundationと大規模なオンライン講座プラットフォームであるedXが、2020年版の「Open Source Jobs Report」を公開している。新型コロナウイルスの蔓延が続いている状況でも、オープンソース技術のスキルに対する需要は依然高いようだ。レポートによれば、採用担当マネージャーの37%は、今後6カ月以内に新たにスキルのあるITプロフェッショナルを採用したいと述べているという。
また、採用担当マネージャーの81%は、今後オープンソース人材を優先的に雇用すると回答していた。さらに56%は、今後6カ月以内にオープンソースの専門家の採用を増やすことを計画している。
その背景にある理由は単純なものだ。最近公表されたRed Hatの調査では、ITリーダーの86%が、最も革新的な企業はオープンソースソフトウェア(OSS)を使っていると述べている。OSSを利用するメリットとして、ソフトウェアの品質の高さ、所有コストの低さ、セキュリティの高さ、クラウドネイティブな機能などを挙げている。このような認識が広がっていることで、この厳しい時期にも、これまで以上にオープンソースに詳しい人材の需要が高まっているのだ。
その水準はどれほどだろうか。採用担当マネージャーの93%は、OSSに詳しい人材を見つけるのに苦労していると回答している。実際、採用担当マネージャーの63%が、OSSのスキルを持つ人材を呼び込むために、組織としてオープンソースプロジェクトを支援しており、コードのコントリビューションやその他のリソースの提供を行っていると述べていた。2018年には、この数字は48%だった。
そのような行動を取っているのは、オープンソースに不慣れで、オープンソースに詳しい従業員を呼び込むために、魅力的に見えるよう努力している企業だけではない。30年近くLinuxのトップディストリビューターであり続けているSUSEも、同様のことをしている。SUSEのグローバル人事ディレクターMarie Louise van Deutekom氏は、「SUSEはコントリビューションを人事採用戦略の一環として捉えている。従業員が、長年の間にわたって、それらのコミュニティに盛んにコントリビューションを行っているのは素晴らしいことだ」と述べている。
Van Deutekom氏は、オープンソース組織で成功するためには、信頼性が高く、信用でき、話がしやすい人材でなければならないと話す。同氏は、「SUSEにとって信用は非常に重要だ。私たちの透明性を重視して成長しており、顧客やパートナーと協力して活動する際にはこの戦略を用いている」と述べている。