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クラウドは2021年、コロナ禍から回復する動力に

Dave Bartoletti (Forrester Research) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-11-19 06:30

 この15年間のパブリッククラウドの発展を見ると、クラウドは、新型コロナウイルスによる世界的な需要ショックに対応するために設計されたものだったかのようにさえ見える。コロナ禍は多くのオフィスワーカーを一夜にしてリモートワーカーに変えただけでなく、IT部門や開発会社の働きも変えた。企業や消費者が、必要に応じてパブリッククラウドのアプリや、開発サービス、ツールやインフラを利用できなかったら、コロナ禍への対応はどんなに違っていただろうか。きっと大変な困難だったに違いない。クラウドは2020年、決して危機を無駄にしてはならないという教訓を残した。

 そして2021年には、クラウドが「新しい、不安定な常態」に適応しようとする企業の原動力になるだろう。自宅で働き、オンラインで買い物し、飛行機での移動を控える生活が、2021年のいつまで続くのかは誰にも分からない。しかしあらゆる企業がこれまで以上に、アジャイルで敏感になり、適応力を高めざるを得ないことは明らかだ。Forrester Researchは、世界中の企業が2021年にコロナ禍からの回復を加速させる上で、クラウドコンピューティングが後押しすると予想している。その根拠は次のようなものだ。

  • ハイパースケールパブリッククラウド市場が再び急成長フェーズに戻る。2019年後半には、パブリッククラウドの売上高成長率がやや鈍化したが、2020年半ばにはコロナ禍の影響で成長が加速した。2021年には、世界のパブリッククラウドインフラの市場規模が、35%増の1200億ドル(約13兆円)になるとForrester Researchは予想している。Alibabaの売上高は、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureに続く世界第3位になるだろう。クラウドの再流行に備える必要がありそうだ。
  • サーバーレス技術とコンテナー技術の流行が過熱していることを受けて、クラウドネイティブ技術に対する需要が急増する。コロナ禍が発生する以前は、新たにアプリを構築したり、古いアプリを刷新したりする際に、普段からコンテナーやサーバーレス関数を使用していた開発者の割合は約20%だった。Forrester Researchは、2021年末までに開発者の25%が普段からサーバーレス技術を、30%弱がコンテナーを日常的に使うようになり、マルチクラウドコンテナー開発プラットフォームと、パブリッククラウドのコンテナーサービスやサーバーレスサービスに対する需要が世界的に急増すると予想している。
  • オンプレミスの災害復旧(DR)戦略は下火になり、災害復旧の舞台はクラウドに移る。新型コロナウイルスによって、企業ではデータセンターが停止した場合に復旧する準備が整っていないことが明らかになり、企業のIT部門は、再びレジリエンスの向上に重点を置いた。新型コロナウイルスの拡大前は、パブリッククラウドのデータやワークロードを保護していた企業は少なかった。しかし2021年には、災害復旧の仕組みをパブリッククラウドに移す企業が20%増加し、後戻りは起きないと予想される。
  •  これらは、Forrester Researchがコロナ禍からの回復をクラウドが加速すると考えている理由の一部だ。このほかにも、ソフトウェアの調達方法の変化や、クラウドマーケットプレースに対する関心の再燃が起きると予想されている。また、企業がクラウドにデータを保管する際の保管場所や保管方法を制限する、新しい規制にも注意が必要になる。

     Forresterの「2021 Predictions」の電子ブックはダウンロード可能になっている。

     本稿はForrester ResearchのバイスプレジデントでプリンシパルアナリストのDave Bartolettiが執筆した。Forresterのサイトにオリジナルの記事がある。

    この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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