静岡銀行は次世代オープン勘定系システムを稼動させた。
このシステムは、同行と日立製作所が共同開発したもので、Linuxベースのオープン基盤上で稼働する勘定系システムとなっている。従来のメインフレームにおける勘定系システムのアーキテクチャーを刷新し、預金、為替、融資といった銀行業務を実現する「記帳決済システム」と、各種業務システムやチャネルサービスなどとの接続を統合する「バンキングハブシステム」の2つのシステムで構成されている。
記帳決済システムでは、勘定系システムの標準領域に当たる基幹業務の機能をコンポーネント化、パラメーター化し、機能同士の緩やかな連携を実現することで、個々の業務の特性や重要度に合わせ柔軟に最適な機能配置を実現できるアプリケーション構造に刷新している。これにより、従来の「複雑な勘定系システム」から「シンプルな勘定系システム」へ転換し、開発生産性を高め、稼働後の環境変化に対応した機能追加や新商品開発を迅速化できる。
バンキングハブシステムは、営業店システムやインターネットバンキングといったチャネルサービスと容易に接続可能なアダプター機能を有している。シームレスかつ迅速なチャネル追加や、インターフェースの統合管理と集約を図り、他システムとの連携を高効率で実現可能とすることで、経営戦略遂行の自由度・柔軟性を向上し、「作る勘定系システム」から「使う勘定系システム」への転換を実現しているという。
なお同システムは、金融庁が金融機関の基幹系システムに関する先進的な取り組みを支援する「基幹系システム・フロントランナー・サポートハブ」において、第1号案件として支援が決定している。