今年は例年よりも予想ビジネスがやりにくくなっているようだ。これは2020年の出来事によって、予想がまったく意味をなさなくなることもあることがあからさまになったためだ。しかし筆者は、まだ水晶玉を捨てることはせず、2021年にMicrosoftのどんな技術が(発表済みか未発表かに関わらず)注目を浴びる可能性があるかを予想することにした。
提供:ZDNet
この記事では、筆者が2021年に注目していくつもりのMicrosoftの5つの技術分野を選んだ。この5つを選んだのは、これらの技術が2021年のビジネスユーザーに大きな影響を与える可能性が高いと考えたからだ。
以下では、筆者が選んだ5つの技術を順不同で紹介していく。
モバイルユーザーのための「MetaOS」
「Microsoft 365」のクラウド技術の中には、進化する戦略であり、基盤となるレイヤーの役割を果たすものがある。この取り組みは社外よりも社内でよく知られており、「MetaOS」と呼ばれている(「Taos」と呼ばれることもある)。
MetaOSは、異なるデバイスに一貫した仕事と遊びのサービスを提供する、単一のモバイルプラットフォームを提供することを意図したものだ。MetaOSは「Windows」のような意味でのOSではないが、多数のレイヤーと階層から構成されており、これには「Office」の「サブストレート」や、「Microsoft Graph」、Microsoftが「Fluid Framework」関連で取り組んでいるもの(共同編集やオブジェクト埋め込み技術)を含むアプリケーションモデル、「Power Apps」や「Visual Studio」の開発ツールなどが含まれている。
筆者は、2021年に入ると、Microsoftがアプリをシングルタスクの製品やサービス(例えば「Planner」「Stream」「Tasks」「Lists」「Files」「Whiteboard」「Notes」など)のセットとして想定しているということをより一層耳にするようになる考えている。これにはFluid Frameworkが大きな役割を果たす。この戦略とその展開は、開発者や、消費者や、最前線で働く従業員に大きな影響を与える可能性がある。
ユニバーサル検索:「あなたの手元に情報を」(Information at Your Fingertips)の再来
Microsoftの創業者であるBill Gates氏は、ユーザーが情報を探すのではなく、ユーザーの方に情報が集まるようにするというビジョンを持っていた。Gates氏が「Comdex 1990」で行った基調講演のタイトルは、「Information at Your Fingertips」(あなたの手元に情報を)というものだった。それから数十年を経て、Microsoftはようやく、同社のユニバーサル検索技術でこのアイデアを実現しようとしている。