デジタルワークフローソリューションを展開するServiceNow Japanは3月12日、「Now Platform」の最新バージョン「Quebec」の提供を開始した。同日開催された発表会では、主要な新機能が紹介された。
Now Platformは、ナレッジベースや人工知能(AI)の機能が搭載されている同名のPaaS(Platform as a Service)と、複数のSaaS(Software as a Service)で構成されている。Quebecでは4つのSaaSが用意されており、開発者が必要とする要素をまとめた「Creator Workflows」、顧客体験を向上させる「Customer Workflows」、従業員体験を改善する「Employee Workflows」、ITサービスの運用を最適化する「IT Workflows」となっている。ServiceNowは、それぞれのSaaSの中で機能を開発している。
Now Platformは新バージョンが提供される度に世界の都市名がアルファベット順に付けられており、前バージョンは「Paris」、9月に提供予定のものは「Rome」と命名されている。今回のQuebecのコンセプトは、「21世紀の企業を⽀えるプラットフォームのためのプラットフォーム」だという。
同バージョンの特徴について、発表会に登壇したマーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の高橋卓也氏は「生産性の向上のほか、人やシステムをうまくつなぎ合わせることで、新規事業や既存事業の改善といった企業のイノベーションを加速させることができる」と説明した。
ServiceNow Japan マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の高橋卓也氏(出典:ServiceNow Japan)
Creator Workflows内の「App Engine Studio」は、LOB(Line of Business)部門などの「市民開発者」によるアプリ開発を支援する機能。同機能では、直感的なガイドが用意されており、ユーザーはノーコード/ローコードで開発できる。これにより、コーディングの経験がない人でも共同作業やアプリ構築が可能となり、大規模かつ迅速なアプリ開発につながるという。
Customer Workflows内の「Engagement Messenger」では、導入企業のポータル上で顧客にAI検索や仮想エージェントとの対話といったセルフサービスを提供することができる。これまではポータルも併せて提供していたが、多くの企業は自社のポータルを持っていることから、開発に至ったという。
Employee Workflows内の「Universal Request」は、従業員の依頼業務を簡素化する機能。プロジェクトなどで変更が生じた際、担当者は複数の部署に変更を依頼しなければいけないことがある。従来は部署ごとに連絡する必要があるが、同機能では一回で済ませることができるという。
IT Workflows内の「ITOM Predictive AIOps」では、発生し得るITインシデントを予測、阻止、自動処理できるとしている。この機能は、Service Nowが2020年に買収した企業Loom Systemsの機能を搭載し直したものだという。